2021年4月17日土曜日

AKG(アーカーゲー)スタジオヘッドホン K371-Y3を買いました。色々なイヤホンで音楽を聴くのですが、本来の音が分からなくなっている為 K371-Y3で原音探しです。

 

AKG(アーカーゲー)モニターヘッドホン K371-Y3

最近、音楽を聴く為に色々なプレイヤーや色々なイヤホンを購入しています。イヤホンはリケーブルやイヤーチップ交換により音も色々変化し、自分の好みの音になるようにチューニングします。そして、自己満足に浸るのです。
2021年のとある日フッと思いました。「今まで、散々自分好みの音を追求しているので、この楽曲本来の音はどんなんだろう?」と言うことで耳をリセットする意味も含めモニター用のヘッドホンを買うことにしました。基本的にモニターヘッドホンで真剣に音楽に耳を傾ける事は無いので、なるべく価格が安く音の良いものを検討しました。
そこで大好きなブランドのAKGを検討しました。そして、少し前の機種ですがハイレゾ対応で価格もリーズナブルでデザインもシンプルな密閉型のK371-Y3を購入しました。

密閉型 スタジオヘッドホン ヒビノ扱い 3年保証モデル


【特長】
・大口径50mmドライバーを搭載し、ヘッドホンとは思えない輪郭のある低域を出力。さらに、密閉性の高い低反発素材のイヤーパッドが出力音を余すことなく鼓膜に届けるため、原音の迫力を忠実に再現可能。低域の再生帯域は5Hzを達成。
・ダイヤフラムにチタンコーティングを施し、優れた制動性能を獲得。中高域の再現性能が大幅に向上し、まるで目の前で演奏を聴いているかのようなリアルなサウンドを提供。再生帯域は40kHzまで伸び、数ランク上の上位機種に匹敵。

【仕様】
・構造:密閉型
・感度(1kHz):99dB SPL/mW
・再生周波数帯域:5Hz〜40kHz
・インピーダンス:32Ω
・イヤーパッド:アラウンドイヤー、着脱式、合皮製
・入力コネクター:3.5mmステレオ・ミニプラグ(金メッキ)
・ケーブル:着脱式、片出し
・質量:256g(除ケーブル)
・付属品:
 ヘッドホンケーブル(1.2mストレート、OFC)
 EK300(ヘッドホンケーブル(3m ストレート、OFC))
 ヘッドホンケーブル(3m カールコード、OFC)
 標準プラグアダプター(ねじ固定式、金メッキ)
 キャリングポーチ

■開封
シンプルな箱、良いです。デザインもシンプルで良いです。


ケーブルは3本ついてます。


専用の袋も付いてます。


クルっとたたんでコンパクトに!

イヤーパッドも柔らかすぎず硬すぎない良い感じです。

コネクターは3PINミニXLR



■音を聴いてみます。
丸一日、音を流しっぱなしにして軽くエージングしています。

【楽曲】
YouTubeの「お洒落なミュージック」に集めているような曲を主に聴いて評価しました。

音源はFLAC及びハイレゾでパソコンからDENONの「USB-DAC ヘッドホンアンプ DA-300USBS」を経由します。かなり年期が入ってますが、マダマダ現役です!



【装着感】
イヤーパッドにスッポリ耳が収まり、非常に心地よい弾力に耳も痛くなりません。軽いので肩も凝りません。

【音場】
広すぎず狭すぎない適度な音場です。各楽器の位置もシッカリ分かります。ヘッドホンはインナーイヤホンとは違い、耳の外から音が来るので優しく自然な音場になります。

【音圧】
適度な音圧で小さな音や囁き声もシッカリと聴こえます。密閉型ですが、開放型とも思える様な自然な音の抜け感も感じます。

【解像度】
非常に高いです。細かな音まで忠実に出ていると思います。

【音質】
(重低音)楽曲によっては認識できますが、過度に協調はしません。
(低音)シッカリと認識は出来ますが、あくまでも自然に、過度に協調はしません。
(中音)シッカリとしたボーカルも聴きとれます。見通しも良いです。
(高音)バイオリンや女性ボーカルの歪もなく透き通る高音域がとても美しいです。
(超高音)自然に伸びる超高音域が空気感を生みます。
(ボーカル)位置も中央にあり、各楽器とほぼ同じ位置です。演奏に埋もれることも無く繊細な声までシッカリと拾えます。女性ボーカルも男性ボーカルも良い感じです。
(打楽器)シッカリとした切れがあります。

【原音感】
全体的に的確で繊細で柔らかく切れのある音質です。ムヤミヤタラニ低音がドンドン響いたり高音域がシャリシャリしたりしません。しかし、アーティストが表現したい音の強弱やメリハリはシッカリ表現します。
低音フェチで、比較的ドンシャリ好きな私としては、聴き始めは少し物足りなかったのですが、ズット聞いているうちに心地よくなって何時までも聴いていたくなりました。
実際の生演奏と比べないと原音かどうかは判別できませんが、明らかに自然な音が出ているように感じます。



■ケーブルが味気ないのでリケーブルしました。
クリアで低音から高音域までシッカリ伸びます。ノイズもなく良好です。音圧も少し上がった感じがします。また、エージング100時間越え辺りから音が更に良くなりました。





■他のヘッドホンと比べてみた。
他のヘッドホンと言っても、FOSTEX(フォステクス)のTH610しか持っていませんので軽く比べてみます。スペックは共にハイレゾ対応でよく似ています。

★AmazonFOSTEX プレミアム・リファレンス・ヘッドホン TH610
【特長】
黒胡桃無垢削り出し材を採用したハウジングとバイオダイナ振動板の共演による、艶やかで自然な響きを紡ぎ出すハイクオリティモデル。磁気回路は、磁束密度1 テスラの50mm ド ライバー・ユニットを搭載。超強力磁気回路により低歪率で広大なダイナミックレンジを提供。振動板には弊社独自開発のバイオ・セル ロース技術による「バイオダイナ」を採用。豊かな超低域、素直な中域、そして、特にプレゼ ンスに優れた高域を再生。

【仕様】
形式:密閉ダイナミック型
ドライバー:Φ50mmネオジムマグネット/バイオダイナ振動板
インピーダンス :25Ω
再生周波数帯域 :5〜45,000Hz
感度:98dB/mW
最大入力:1,800mW
本体質量:約375g(コード含まず)
ケーブル:3m Y型 純銅製( 着脱式コネクタ端子:2ピン、ロジウムメッキ仕様)
本体側着脱部:2ピン(ターミナル:金メッキ下地 ロジウムメッキ仕様)
プラグ:直径6.3mm 金メッキステレオ標準プラグ




プレイヤーにはヘッドホンモードもあるFiio(フィーオ)M15を使用すます。
K371-Y3のコネクタは1/4インチ(6.35 mm)なので、3.5㎜に変換します。
ちなみに4.4㎜・2.5㎜バランスケーブルを探しましたが存在しませんでした。

K371-Y3 VS TH610

【装着感】
いずれも、イヤーパッドにスッポリ耳が収まり、装着感は良いです。ただ、K371-Y3に比べるとTH610は重いので少し疲れます。

【音場】
いずれも、広すぎず狭すぎない適度な音場です。各楽器の位置もシッカリ分かります。しかし、音の抜け感や余韻や伸びはK371-Y3が上です。

【音圧】
K371-Y3に比べるとTH610の方が音圧を感じます。余談ですが、ヘッドホンアンプのDENON DA-300USBSの方がFiio M15に比べると音圧・音質共に余裕を感じます。
※イヤホンになるとFiio M15(バランス)の方が優れています。

【解像度】
いずれも高いですが、K371-Y3の方がより繊細に聴こえます。

【音質】
(重低音)ズシッと来る重低音を聴かせるTH610に軍配が上がります。
(低音)深く沈み込む余韻もある低音域を出すTH610に軍配が上がります。
(中音)いずれもシッカリとした中音域を出します。見通しはK371-Y3の方が良いです。
(高音)クールな高音域のTH610に対して、煌めく高音域のK371-Y3と言った感じです。
(超高音)圧倒的にK371-Y3の方が超高音域を出していると思います。
(ボーカル)いずれも、位置も中央にあり、各楽器とほぼ同じ位置です。演奏に埋もれることも無く繊細な声までシッカリと拾えます。女性ボーカルも男性ボーカルも良い感じです。
(打楽器)シッカリとした切れがあります。

【原音感】
K371-Y3:適度な抜け感と中高音域が特に美しく、原音に近い音を出していると思います。

TH610:ウオーム感あふれる深い中低音が魅力です。これはハウジングの黒胡桃(くろくるみ)が大きく影響していると思われます。半面K371-Y3のような煌めきはありません。

TH610を聴いて、確実にK371-Y3がモニターヘッドホンだと認識しました。過度に音を作っているわけではありませんがK371-Y3に比べると中低音域が強調されているように感じます。個人的には重低音が好きなのでTH610なのですが・・。低音こそ弱いですが、TH610から皮二枚ほど曇りを取り除いて、抜けるような中高音域を繊細に出すK371-Y3に魅力を感じずにはいられません。






【総括】
音楽を聴く時には、音源、アンプ、DAC、などの機器が必要なわけで、現実的にK371-Y3を買ったからと言って本当の原音が聴けるわけでもないのですが、それでもイヤホンの個性を生かしたリスニング用のヘッドホンやイヤホンに比べると、多分、少しでも原音に近いのだと思います。
K371-Y3は価格も安く非常にコストパフォーマンスが高いと思います。これからは、定期的にK371-Y3で音を聴き耳をリセットしたいと思います。K371-Y3はリスニング系のイヤホン・ヘッドホンが好きな方には向かないかもしれません。特に低音好きの方にはお勧めできません。しかし、私の様に時折原音リセットしたい方にはお勧めできると思いました。

※内容はあくまでも個人的な考えですのでご了承ください。
 参考程度にお読みいただければ幸いです。