2022年9月24日土曜日

スペックオタである私の呪縛を解いた二つのイヤホンMA910SとAVANT AIR MAX

 

スペック呪縛を解いた二つのイヤホン
MA910SとAVANT AIR MAX

私はハッキリ言ってデジタルオーディオ関連の一部商品に関してはスペックオタクです。DAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートフォン及びイヤホン(有線・無線)に関しては特に酷いのです。購入の判断には価格とスペックが大きく影響します。

【商品選びの最低マストスペック】
今までは下記の様なスペックを基準に商品選びをしていました。

■DAP本体であれば

・DACのメーカーと型番
・アンプの性能
・4.4㎜バランス出力
・本体の筐体素材
・SoC(クアルコム製である事)
・OS(Androidである事)

■スマートフォン本体であれば

・SoC(クアルコム製である事)
・OS(Androidである事)
・Bluetoothオーディオコーデック
 aptX Adaptive、aptx lossless、LDAC以上対応必須

■イヤホン本体の再生能力及び構造

・再生周波数域:最低20Hz~40kHz(ハイレゾ対応)
・ダイナミック型もしくはハイブリッド型のドライバー
・低音・中音・高音・音圧・音場等、再生能力が良いもの
・どこか特殊な性能など一押しポイントがある事

■イヤホン(有線)であれば

・バランス対応である物
・リケーブルが出来るもの
・リケーブルの素材(銅の軸に銀の被膜がベスト)
※3.5㎜ではない事(シングルエンド接続)

■イヤホン(無線)であれば

・ aptX Adaptive、aptx lossless、LDAC以上対応


しかし、今回偶然「Maestraudio(マエストローディオ)のMA910S」と「ROCK JAW AUDIO(ロックジャウオーディオ)のAVANT AIR MAX」に出合い色々と心改めることになりました。


ROCK JAW AUDIO AVANT AIR MAX
ネットで偶然知りました。「コーデックはaptX Adaptive」「6㎜カーボンナノチューブドライバー」と「再生周波数域:15Hz~65kHz」と言うスペックに1コロでした。しかもファンドで16000円程度でした。
購入後コーデックが「aptX Adaptive」ではなく「aptX」だったことで愕然とします。メーカー曰く「aptX Adaptive」は不要と判断したそうです。
しかし、その音質の良さに、本当に「aptX」で十分と思いました。
ここで一つスペックに捕らわれている自分に気が付きます。


お気に入りのコンパクトプレイヤーの「HIDIZS(ハイディズ)AP80 Pro」筐体の素材違い4種類でも聴いてみました。AP80ProはSS社製DAC「ES9218P」アンプ内蔵を搭載しているのですが、個人的にもう大好きな音なのです。「本体筐体の素材違いで音質が変わるのか?」と言う事を考えていた時に素材違いを4機種揃えました。
AP80ProとAVANT AIR MAXの組み合わせは悪くはないですが、残念ながらスマートフォンとの接続音質を大きく超えるものではありませんでした。





Maestraudio MA910S
パソコン用で使っていた3.5㎜シングルエンド接続のイヤホンの調子が少し悪いので買い替えを検討します。3.5㎜にあまり音質を期待していない私は適当にネットを見ていて「Maestraudio MA910S」が発売とのニュースを見ました。「10㎜ダイナミックx1、9㎜ RSTx1、音響補正デバイス「HDSS」x1)」「再生周波数域:20Hz~40kHz」と知らないスペックの言葉にまたしても1コロ。しかも価格の1万円前後と手ごろ。「まあ、安いし、3.5㎜に期待もしていないし、失敗してもいいかな」と軽い気持ちで購入。
思いのほかスケルトンが可愛い。「10㎜ダイナミック、9㎜ RST、HDSS」いったいどんな音がするのか興味津々です。
しかし、音質の良さにビックリです。その辺の3万円程度のバランスイヤホンよりよっぽど音質が良いです。音場も豊かで音圧もガッツリあります。ちょっと信じられないです。
「3.5㎜シングルエンド接続のイヤホンはバランス接続のイヤホンに比べ音が良くない」ここでまた一つ、スペックに捕らわれている自分に気が付きます。
「Maestraudio MA910S」はパソコンにPCM接続しようが。Bluetoothレシーバー「BTR7」でLDACで接続しようが、ほんとに良い音がでます。スマートフォンへの3.5㎜直結でもそれなりに良い音です。更にハイスペックなアンプに接続すれば音質は別世界です。


お気に入りのコンパクトプレイヤーの「HIDIZS(ハイディズ)AP80 Pro」筐体の素材違い4種類でも聴いてみました。AP80ProはSS社製DAC「ES9218P」アンプ内蔵を搭載しているのですが、個人的にもう大好きな音なのです。「本体筐体の素材違いで音質が変わるのか?」と言う事を考えていた時に素材違いを4機種揃えました。
AP80ProとMA910Sの組み合わせは想像以上に良い音で、シッカリと素材の違いによる音質を確認できました。どれも、何時までも聴いていたくなる音でした。




【パソコンとの組み合わせに最適】
MA910SとAVANT AIR MAXですが、パソコンで音楽を聴きながら、YouTubeを見ながら、色々するのに最適です。共に音質が良く迫力も満点なので、PCとの組み合わせが一番多くなりそうです。特にパソコンで高音質の完全ワイヤレスイヤホンが使える選択肢が増えたのは非常に喜ばしい事です。しかし、パソコンと接続したイヤホン達、スマートフォンと接続するより音が良いなぁ・・・。

Bluetoothアダプタで
MA910SとAVANT AIR MAXを聴く
色々な完全ワイヤレスイヤホンを接続

AVANT AIR MAXとデスクトップPCを接続
中々の優れものBluetoothアダプタです

AVANT AIR MAXとノートPCを接続

FiiO(フィーオ) BTR7
BluetoothレシーバーとMA910Sを接続

FiiO BTR7 とデスクトップPCをaptXで接続


USBオーディオでMA910Sを聴く
デスクトップPCに接続
ノートPCに接続

パソコンで聴く音質の凄さ
実は色々な完全ワイヤレスイヤホンをパソコンで聴くことが出来る様になりましたが、aptXにもかかわらずどれも素晴らしい音質なのです。
スマートフォンとaptX Adaptiveで聴くよりも迫力もあり音も良く感じます。プレイヤーにはMusicBeeやPowerDVD22を使っていますが、特にPowerDVDは動画の発色がブラウザーに比べ格段に良くなりますし、音質も凄いのです。FLAC音源であろうがYouTubeであるが、音質が格上げになった感じです。これはBluetoothアダプタが良いのか、オーディオアプリケーションが良いのか分かりまでんが、兎に角音が良いです。



Amazon
MA910S クリアーミント
MA910Sガーラルブルー
FiiO BTR7 Bluetooth レシーバー










【総評】
「高スペック=高音質、高額=高音質」ではない。必要なのはスペックや価格ではなく「自分が良い音だと感じる事」MA910SとAVANT AIR MAXはそんな事を思わせてくれた商品でした。これからはスペックのみに気を取られないようにしてゆきたいと思います。




・・・・しかし、実は、今、新しいコーデックであるQualcommの「aptx lossless」を聴ける環境を検討中です。最新のスペックを搭載したマシンが必要になって来ます。(笑

まず、現在の所「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1」以上のSoCを搭載し、無線通信機能「Qualcomm FastConnect 6900」搭載のスマートフォンが必要です。そして、「QCC5171」のSoCを搭載しaptx losslessに対応した完全ワイヤレスイヤホンが必要です。



※Qualcomm aptX Lossless(ロスレス・オーディオ)
・44.1kHz、16ビットのCDロスレス音質をサポート
・ビットレート:最大1.2Mbps(LDACは990kbpsです)


※ウレタン系とシリコン系のイヤーピースの違いだけでも音質はガラリと変わってしまいます。内容はあくまでも個人的な環境下での考えですのでご了承ください。参考程度にお読みいただければ幸いです。

2022年9月19日月曜日

Maestraudio(マエストローディオ)MA910S グラフェンコートダイナミックドライバー&パッシブ型セラミックコートツイーターRST搭載イヤホンをレビュー評価してみる

 

Maestraudio(マエストローディオ)MA910S

実は、私は有線イヤホンを購入する場合、4.4㎜又は2.5㎜対応のバランス接続のイヤホンを選択します。3.5㎜シングルエンド接続(アンバランス)のイヤホンはめったに買いません。また、大抵ケーブルは直付けなので断線したら一貫の終わりだからです。もし買うとしてもどこか変わった機構を持つ物を買うようにし、壊れても諦めて捨てる覚悟が必要です。

現在持っている3.5㎜シングルエンド接続のイヤホンは「ZERO AUDIO DUOZA(デュオザ)ZH-DWX10」と言う商品一つのみで、デュアルダイナミックスピーカーを前後に配置し、再生周波数帯域は7Hz~40,000Hzと広い、中々の変態イヤホンです。でも「ドンシャリ」と思いきや全体的にマイルドで少し物足りない音質でした。しかし、最近少しケーブルとかも弱ってきたので新しい3.5㎜プラグのイヤホンを買う事にしました。

色々調べていると、Maestraudio(マエストローディオ)と言う聞いた事もないメーカーから、摩訶不思議なドライバー構造を持つイヤホンが出ていました。「グラフェンコートダイナミックドライバー&パッシブ型セラミックコートツイーターRST搭載イヤホン、HDSS搭載」です。

[10mmグラフェンコートダイナミックドライバー搭載イヤホン] パッシブ型セラミックコートツイーターRST&HDSS搭載 日本製 約120cm 3.5mmL字プラグ ハイレゾ リスニング/ゲーム【OTA-MA910S-MNT】

■小型軽量かつ広いサウンドステージを目的としたユニバーサルIEM。新開発グラフェンコートダイナミックドライバー搭載
■新発想から生まれたパッシブ型セラミックコートツイーター「RST」と音響補正デバイス「HDSS」搭載
■シルバーコートOFCとOFCのハイブリッドケーブル採用
■シリコンゴムの軟度を僅かに下げたことにより、優れたフィッティングと遮音性を実現するオリジナルイヤーピース「iSep01(S/MS/M/L)」を標準付属。

MA910S(仕様
・色:クリアーミント
・形状:ユニバーサルIEM型(耳掛け装着型)
・ドライバー構成:ハイブリッド型
 10㎜径ダイナミックx1+9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)x1
 音響補正デバイス「HDSS」x1
・インピーダンス:16Ω
・音圧感度:100dB
・再生周波数帯域:20Hz~40KHz
・ケーブル仕様:ケーブル長:1.2 m プラグ:3.5 mm 3極 L字
・付属品:iSep01イヤーピース、イヤーフック、本革コードリール、保証書
・価格:1万円前後
・生産国:日本
詳しくはメーカーページをご覧ください

10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1と9mm径パッシブ型セラミックコートツイーター「RST」x1と音響補正デバイス「HDSS」x1と言う、なんとも聞きなれないドライバーを持っているイヤホンで、未知の領域です。どうも10㎜のダイナミックドライバーの上に9㎜のRSTという円盤の板が乗っかっており、ダイナミックドライバーの振動を受けて高音域が鳴るらしいのです。また、HDSSによって音の歪みを軽減しストレスを軽減、そしてクリアで臨場感のある音に近づけるらしいのです。
※HDSSは「ETL (Embedded Transmission Line) 」と呼ばれる音響モジュールをイヤフォン筐体内のドライバー背面に設置します。筐体内部の圧力を一定に保ち、温度変化・再生音・残響・定常波等の影響を受けず音源に忠実な再生を可能にします。

想像してみました(笑

また、「生産国:日本」と言う何とも応援したくなる商品でもあります。いったいどんな音がするのでしょうか?楽しみです。でも、まぁ、1万前後だし、3.5㎜シングルエンド接続のイヤホンだしあまり期待はしていません・・・・でした・・・・が。



【開封】
商品が届きました。ケースはいたってシンプル。シッカリと中身は保護しつつ、コストダウンの為に箱にはお金をかけていません。この辺りは好きです。また、良く見るとイヤホン自体ハートの形状をしています。










【評価に使うDAC・アンプ】

★AmazonDenon USB-DAC ヘッドホンアンプ ハイレゾ音源対応
「DA-300USB-S]高性能DSD対応USB-DAC機能を搭載。PCのクロックを使用せず、DA-300USBのマスタークロックで制御を行うアシンクロナス転送により、ジッターフリー伝送を実現

■DA-300USBS PCとPCM接続
(仕様)
・55mW/32Ω(1kHz 0db再生)
・PCMで入力された16bitの音楽信号を32bit精度にアップコンバート処理
・44.1kHz系と48kHz系のクロックを使い分けることにより、理想的なD/A変換
・44.1kHzの信号を16倍、192kHzの信号を4倍にオーバーサンプリング
・最大192kHz/24bitのPCM信号に対応


(評価)
ヘットホン用に購入した2014年頃の商品です。このころのオペアンプは迫力満点!アンプの出力は「55mW/32Ω」と数値上は比較的おとなしいのですが、MA910Sとの相性は抜群!最も良い音がします。音圧もあり、低音の高音もシッカリと出ています。音場も広く深く高音もスーッと伸びて行きます。数値データだけでは測れない音質がここにあります。





【評価に使う楽曲】
評価にはいつものようにYouTubeの「お洒落なミュージック」に掲載しているような楽曲を使います。音源データのサンプリングレートは(44.1kHz)(48kHz)(96kHz)(192kHz)のハイレゾがメインです。ファイル形式はFLAC又はAACです。






【聴いて見る】

■エージング時間 0時間
ファーストインプレッションです。
えぇ!何ですかこの音は!ビックリです。切れのいい深い低音、透き通るような高音域、音場も広く深いです。普通にサラリと良い音です。これ1万円前後の音では無いですね。
でもまだ音全体が甘いのでイヤピースを交換します。良い音を聴くには最低イヤピースがきちんと自分の耳に合った物が必要です。それとあとは良いプレイヤーが必要。



【イヤーチップを交換】
CP100+(Lサイズ)」を装着しました。低音域が深く引き締まり高音域も美しいです。






■エージング時間 0時間
イヤピース交換後のインプレッションです。

低音は更に深く切れも良くなりました。煌めくような高音は更に繊細に。銀と銅の特性がシッカリと生かされたケーブルの品質も非常に良いと感じます。しかし、これエージング0時間ですよね。ちょっとビックリです。この時点で「このイヤホン3万円くらいですよ!って言っても通用するんじゃないかな?」なんか凄いです。あとビックリしたのが、ケーブルのタッチノイズが全くありません。
ただ、惜しむべきはリケーブルできないこと!すでに凄い気にって来ているので断線したら涙出るかも!もう一個買っておこうか(笑

あと、見た目に可愛いプラスチックなスケルトン筐体。失礼ですが、よくもこんな筐体なのに、シングルエンドなのに「濃密で広く深い音場」「引き締まった低音域」「繊細に広がる高音域」がでる物だと思いました。これが「RST」ツイーターや「HDSS」技術の威力なのでしょうか?また、非常に心地よい音質で長時間聴いても全く頭が疲れません。

高音:美しくクリアで良く伸びます。耳に刺さることもありません。
中音:見通しも良くシッカリとした中音域です。ボーカルも中央でハッキリと。
低音:深く豊かでズシッと来る低音です。
音場:シングルエンドにしては程よく広いです。スーッと余韻もあります。
音圧:どっしりとした音圧です。
解像度:高いと思います。繊細な高音が全体を包み細やかな音まで聴きとれます。




■エージング時間 30時間
低音域・中音域・高音域の切れ・圧が・見通しが更に良くなりました。ダイナミック型ドライバらしく全体的の音の出方は全域フラットです。また、ダイナミック型ドライバーにありがちな音の歪みなどは感じません。また、エージング0時間から音質の変化が少ないと感じます。こんなに音の変化に乏しいイヤホンは珍しいです。古い楽曲も見事な聴きごたえです。
ただ、全体的な音の締めが少しこもっていて”樹脂”っぽいのです。早く、上位又は後継バージョンではWooD、カーボン、アルミ、スティールなど筐体素材の違うバージョンも聴いてみたいと思いました。

高音:細やかでスーッと消えていくような空気感も表現できています。
中音:ボーカルやドラムス、中音域がシッカリと出ています。
低音:「ここでドンと来るよな」そんな期待を裏切らない低音です。
音場:少し上下も出ていますが、これ以上広くならない感じです。
音圧:ボリュームを過度に上げずともズシッと来ます。
解像度:特に変化はありません。アンバランスとは思えない解像度です。






【他の環境でも聴いてみる】

■Xperia 8 Lite(3.5㎜プラグに直刺し)
音圧はあまり高くありませんが、低音や高音はそれなりに出ます。3.5㎜プラグ搭載のスマホで直接音楽を聴かれる方にもおすすめです。
ただ、専用のDAPで聴くと全く別世界の音になります。



Fiio BTR7
(仕様)
・3.5mmシングルエンド:出力160mW(32Ω負荷時)
・PCM384kHz/32bit、DSD256ネイティブ再生を可能
・革新的なフルバランスアンプ回路「THX AAA-28」をデュアル搭載
・ESS Technology製DACチップ「ES9219C」を2基、左右独立構成で搭載


・スマートフォンとBluetooth接続(LDAC)

(評価)
LDAC接続になるとビットレートに限りがありPCM接続に比べ解像度は低くなります。音質が酷く悪いわけではありません。必要な音はちゃんと聞こえていますし、エッジの効いた音質になり、むしろPCMより元気がある感じです。




・パソコンとUSBで接続(PCM)

(評価)
解像度は非常に高いです。アンプの関係でしょうか、DA-300USBSのような深くドッシリとした音ではありません。どちらかと言うと繊細でスッキリとした音質です。またスマートフォンとUSBで直接PCM接続しても同じ傾向です。




・パソコンとBluetooth接続(aptX)
【最先端Bluetooth5.1技術&超低遅延】Bluetoothアダプタ Bluetooth USB アダプタ 低遅延 小型 ドングル 最大通信距離20m aptX対応 EDR/LE対応(省電力) 


(評価)
aptX接続は「PCM接続・LDAC接続・aptX Adaptive接続」に比べると解像度は落ちますが、Bluetoothアダプタかパソコンの電源やアプリケーションの関係か分かりませんが、ビットレートもキッチリ出ている感じでワイヤレスとは思えない高音質で最高です。




AP80Proシリーズで聴いて見る
(仕様)
・CPU:Ingenic X1000
・DAC:ES9218Pデュアル
・ハウジング:全4素材
・ディスプレイ:Samsung 社製2.45インチフルタッチスクリーン
・オペレーティングシステム:HiBy OS 3.0
・Bluetooth:V4.2
・コーデック:aptX、LDAC、HiBy UAT
・出力:3.5mmステレオミニ、2.5mmバランス
・マイクロSDカード最大サイズ:512GB
・質量:68g(限定Titanium Alloyは約87g)
・ロスレス形式のサポート:DSD64/128/256(".dsf", ".dff")、PCM384kHz/32bit(MAX)、FLAC、APE、WMA、WAV、ALAC
・3.5 ステレオ出力 出力電力:70mW+70mW@32Ω
・2.5 バランス出力 出力電力:190mW+190mW@32Ω

個人的に最も大好きな音質を出すアンプ内蔵型のESS社製DAC「ES9218P」をデュアルで搭載しています。低音から高音域まで非常に美しい煌めく良い音質のDAPなのです。実はお気に入りで今現在も全く手放す気の無いプレイヤーなのです。また、本体の筐体の素材違いを実験的に4種類所有しています。過去にここまでリーズナブルに色々な素材違いを発売したメーカーは無いのではないのでしょうか?



Aluminum(アルミ筐体)
(特徴)AP80Proに関してはこのアルミを基準の音質とします。
一台だけ持つとしたらコストパフォーマンスが最も高いです。全体的にクールな音質で、どんな楽曲も、どんなイヤホンも良い音で鳴らします

CP Limited Edition(純銅筐体)
(特徴)アルミ筐体での音質に、銅らしく深みと落ち着きが加わります。特に低音域や男性ボーカルの迫力がでます。濃厚で音に深みがでます。ジャズやクラシックなどアコースティックな楽曲に高級感が生まれます。

Rose Gold Stainless Steel Limited Collector's Edition(316Lステンレス筐体)
(特徴)アルミ筐体での音質に、より共鳴、キラキラ感が加わります。全体的な迫力や濃厚さはCPの方が上ですが、音の広がり切れ味、余韻の広がり、女性ボーカルの美しさは群を抜きます。

Titanium Alloy Limited Edition(チタン合金筐体)
(特徴)アルミ筐体での音質に、深みと適度な煌めきと切れが加わります。CopperとStainless Steelの良い所どりをしている感じです。全体的に見通しが良く、解像度の高さを感じます。全ての音が聴きとれます。

(評価)ボリュームは全て50で確認
AP80 Proの筐体素材の違いによる音の変化をチェックしてみましたが、どの筐体素材による音質の違いをきちんと表現できていました。しかし、MA910S の音質の安定感には目を見張るものがあります。どんなにプレイヤーが変わってもMA910Sらしさが失われることはありません。また、見事にAP80 Proの出す美しい音と融合し、どちらの個性も殺さず更に美しい音を出します。AP80 ProとAP80 Proのとの組み合わせは、サイズ的にも音質的にも魅力的です。AP80 Proは入門機ではありますが、個人的には一つ上のクラスを喰える音質を持っていると思っています。そしてMA910Sとの組み合わせで更にワンランクアップしたと感じます。




【上位クラスのDAP
で聴いて見る】
全く異なるスペックを持つ2機種をMA910Sで聴いてみます。
「SHANLING M6 Ver.21」ESSのDACを持ちアルミニウム筐体。
「HiBy R8SS」旭化成エレクトロニクスのDACでステンレススティール筐体
音質は全く異なります。どちらも素晴らしい音を出します。ただ、今までバランス接続のイヤホンでしか聞いたことが無く、3.5㎜アンバランス接続のMA910Sがどこまで鳴るのか楽しみです。


■SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21 アルミニウム筐体
(特徴)ESSのDACチップ(SHANLING M6 Ver.21:ES9038Q2M)+オペアンプは、濃厚で繊細で乾いた切れの良い美しい音を出します。イヤホンにもよりますが、特に重重低音と超高音域の表現が素晴らしいです。そして、各楽器の細やかな演奏やクッキリとしたボーカルにはいつまでも耳を傾けていたくなります。音の粒が見えるようで「繊細なのに濃厚」そんな美しい音質です!




■HiBy(ハイビー) R8SS R8ステンレススチール筐体
(特徴)アコースティックな楽曲からPC打ち込みの楽曲まで、オールラウンドに鳴ります。左右上下前後に広がり過ぎない適度な音場を造り、高音域が繊細に微かに拡散して行く様はステンレススティール筐体ならではと感じました。音圧もシッカリあり、特に切れの良い深い低音域、煌めくような高音域が美しいの一言です。スピード感も切れもありますが粗削りではなく洗練されています。

(評価)
上位2機種で聴いてみました。音質は抜群です。ただ、この2機種はバランス接続のイヤホンで更に良くなります。「JVC HA-FW1500」「FiiO FH7」「RHA T20」で聴き直してみると、「あ~良いぃ~」となります。抜群の音質とコストパフォーマンスを持つMA910Sですが、3.5㎜アンバランス接続の限界ははやりあるようです。
繰り返しますが、音が悪いとかいう話ではなく「良い音の上限がある」そんな感じでしょうか?はやり、MA910Sの上位機種が必要です。ドライバーが良いだけに4.4㎜バランス接続で聴いて見たいです。

2023年5月
4.4㎜バランス対応のMA910SBを購入しました。合わせてご覧ください





【総括】
3.5㎜シングルエンド接続のイヤホンをメインで使われている方は、見つけたら絶対検討するべきです。コスパ高いです。この価格でこの音質は本当に凄いです。いちおうハイブリッド型イヤホンと言う事になると思うのですが、音のつながりとか低音域から高音域まで歪みもなく鳴りきるそのバランスの良さは「ダイナミック型+BA型」と言う組み合わせの一般的なハイブリッド型とは一線を画しています。迫力のある深く切れのある低音域もそうですが、高音域の煌めきと言うか共鳴する様な自然な音質には惚れ惚れします。それでいて癖もなく自然に聴きとれるのです。なんかよく理解できない構造のハイブリットドライバーですが素晴らしいと思いました。

ただ、エージングがかなり進んでから感じたことですが、音のラストと言うか、音の最後の伸びの音が何処か少し曇っているような気がします。はやりこの辺りは筐体が「樹脂」と言う所にあるのでしょうか?次は筐体の素材が違うバージョンも聴いてみたいものです。きっとHDSSのチューニングが難しくなるかもしれませんが。

しかし、こんなのを、こんな価格で製品化したMaestraudioは凄いと思いました。早くラインアップを増やしてどんどん日本から発信して欲しいものです。次に、Maestraudio(マエストローディオ)はMA910Sの後継または上位機種をきっとバランス接続で出してくるはずです。MA910Sの完全ワイヤレスイヤホン版も出ると良いなぁ~。その時まで楽しみに待ちたいと思います。


『Maestraudio(マエストローディオ)』
独自のセラミックオーディオテクノロジーを軸に、振動解析技術、高度な音響解析技術、セラミック設計技術を駆使した構造を日本国内で組み上げる新IEM(イン・イヤー・モニター)ブランドです。
オーツェイド(株)「O2aid」
「O2aid」の新IEMブランド『Maestraudio』


※ウレタン系とシリコン系のイヤーピースの違いだけでも音質はガラリと変わってしまいます。内容はあくまでも個人的な環境下での考えですのでご了承ください。参考程度にお読みいただければ幸いです。