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Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9 Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
【はじめに】2024年は、立て続けにノートPCを買いあさってます。自宅用・外出用・仕事用などですが、特に「AI」というキーワードを念頭に置きながら機種を選択して購入しました。
・ASUS Zenbook S 16(CPU:AMD Ryzen AI 9 HX 370)
・ThinkPad T16 Gen 2 AMD(CPU:AMD Ryzen 7 PRO 7840U)
・mouse DAIV Z6(CPU:Core i9-13900H RTX4070)
・mouse DAIV Z4(CPU:Core i7-13700H RTX3050)
ここまでくると、次にどうしても揃えなければならないパソコンがあります。クアルコムの「Snapdragon(スナップドラゴン)」プロセッサーを搭載したノートパソコンです。
さて、Snapdragonは「ARMアーキテクチャ」です。インテルとAMDは「x86/x64アーキテクチャ」と呼ばれておりプロセッサーの基本構造が違い、両者に互換性はありません。なので、見た目はWindows11マシンであっても中身は別物なのです。そういったこともあり、「今まで動作していたソフトウェアが動かない」なども起こるでしょう。そういった事情も踏まえ今回は「興味半分」実験的購入なのです。できるだけお安いマシンを検討です。
しかし「Snapdragon X Elite」価格を見てビックリしました。・・・高い!・・・どのメーカーのノートPCも軽く20万越えです。なので、欲しいのをじっと我慢し、横眼で眺める毎日でした。しかしです、クアルコムさんがやってくれました。Snapdragon X Plusの発表です。価格もぐんと抑えられています。基本機能は X Eliteと同じで、コア数の違いや最大動作クロックの違いでコストを下げたのが「X Plus」との事です。そして、待っていた甲斐がありました!性能的にも非常にバランスのよさそうな、価格も安い商品がレノボから登場しました。「Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9(CPU:Snapdragon X Plus X1P-42-100)」です。しかも、ペン入力もしたかったので欲しい機能がてんこ盛りです。
※Armアーキテクチャ
Armアーキテクチャは、特定の命令が実行された際のハードウェアの動作を指示する一連の規則を規定します。つまり、ハードウェアとソフトウェアのやり取りを定義する契約書のような役割を果たします。Armの仕様どおりに書かれたソフトウェアであれば、Armベースのプロセッサーまたはチップセットは、それを同じように実行します。これが移植性と互換性の基本となり、Armのエコシステムの基盤になっています。Armアーキテクチャの一貫性と互換性が、期待どおりの成果をもたらします。(Armホームページから抜粋)
(参考:Red Hatホームページ)
※「Snapdragon X Elite」と「Snapdragon X Plus」の違い
ざっくりとですが、「Snapdragon X Elite」は12コア、「Snapdragon X Plus」は10コアで、CPUの最大動作クロックや統合型グラフィックスの演算性能が違います。今回のSnapdragon X Plus X1P-42-100は一番下のクラスでしょうか。
(参考ページ:Qualcomm ホームページ)
【購入】
レノボのサイトでストレージを1Tに変更して
Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9を購入しました。
次世代のAI対応パフォーマンス
Snapdragon® X Plusプラットフォームは、パワフルなパフォーマンス、画期的なオンデバイスAI、Wi-Fi 7による高速な接続性により、今日の速いペースのライフスタイルの可能性を広げます。軽量で薄型のデザイン、数日間使えるバッテリーライフで、生産性を新たな高みへと押し上げます。
限りなく美しく明るい映像
14.0型 WUXGA OLED (有機ELディスプレイ)を搭載。広々とした画面で、活気に満ちた明快な映像を提供します。学習体験を高める電子書籍に没頭したり、シャープな明るさと広い色域で、タスクの実行やエンターテイメントを楽しむことができます。
スリムで頑丈なデザイン
モビリティイに妥協することなく携帯性と多用途性を体現し、MIL-STD 810Hの頑丈な規格に適合する耐久性のある金属製のボディを搭載しています。また、フル機能のUSB Type-CおよびUSB-Aポート、HDMI、microSDメディアカードリーダーなどのインターフェースを備えており、必要なデバイスを簡単に接続できます。
スペック
・商品名:Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9
・製品番号:83GHCTO1WW
・本体カラー:ルナグレー
・プロセッサー:Snapdragon® X Plus X1P-42-100 (3.40 GHz)
・NPU:Qualcomm® Hexagon™ (最大45TOPS)
・メモリー :16GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード)
・ストレージ:1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC
・グラフィックカード:Qualcomm® Adreno™ GPU
・ディスプレイ:4.0型 WUXGA OLED
(有機ELディスプレイ、1920x1200ドット、最大10.74億色、16:10)
マルチタッチ対応(10点)、光沢あり、HDR500、100%DCI-P3、
400 nit、60Hz、ガラス
・初期導入OS:Windows 11 Home 64bit ARM版
・導入OS言語:Windows 11 Home 64bit ARM版 - 日本語版
・内蔵カメラ:1080p FHDカメラ、マイク
・ペン:Lenovo デジタル・ペン
・インターフェース:USB-Type-C(3.2 Gen2)、USB-Aポート(3.2 Gen1)、HDMI、
microSDメディアカードリーダー、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
・指紋センサー:指紋センサー
・キーボード:バックライト付、ストームグレー - 日本語
・サウンド:Dolby Audio™搭載スピーカー
・無線LANアダプター:Wi-Fi 7対応 (IEEE 802.11be/ax/ac/a/b/g/n準拠) 2x2
・Bluetooth:5.4(コーデック:SBC、AAC/又は可能性:LEオーディオ、AptX)
・バッテリー:3 セル リチウムイオンポリマーバッテリー 57 Wh
・電源アダプター:65W ACアダプター (3ピン) USB Type-C
・本体寸法 (W×D×H)mm:約 313x227x17.5mm(最薄部)
・本体質量(バッテリー・パックを含む):約 1.5kg
・付属品言語:韓国語/日本語/英語
・標準保証:1 年間 引き取り修理
【開封】
いたってシンプルです。ロゴが主張しないところが良いです。無くてもいい。
PCスタイル
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右端のキーレイアウトですがかっこ悪いです 矢印の上下は使いにくいです |
映画鑑賞スタイル
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ヒンジのギミック構造には既に長い歴史があるので グラついたり壊れそうになることは全くありません |
タブレットスタイル
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ペンは充電タイプの 「Lenovo Precision Pen 2」 を別途購入しました。 |
【使ってみた感想】
■ここが イマイチ
・カメラが顔認証に対応していない
・AcronisがARM版に未対応、5ライセンスも買っているのに(涙
メーカーに確認しましたが「予定なしとの事」(Mac arm64には対応)
・ペンタイル配列のOLEDだと思いますが、若干にじんだ感じがします。また、
解像度の違いもありますがZenbook S 16のLumina OLEDが美し過ぎます。
・キータッチは悪くないですが、ThinkPadの素晴らしいキーを想像してはいけない。
・キーボードもありタブレットタイプにもなるので便利だが少し重い
・回転するヒンジの為でしょうが、画面の下部の余白が多すぎる
・なぜか回復ドライブの作成にビックリするくらい時間が掛かった
・ロゴが好きではないのですが、そんなに目立たないから我慢できる
■ここが とてもいい!
・Affinity 2シリーズ動作 RAM/64ネイティブ対応していた
・Adobe Photoshop CCのみ動作 ネイティブ対応している
・PowerDVDが動作した
・ペンが使えるのでPhotoshopやAffinity Photo2で利用できる
・アプリケーションもスイスイ動きます
・バッテリーが良く持つ
・コストパフォーマンスは非常に高い
・起動・シャットダウンが異常に速い気がする
・ファンの音も、とても静かで、オーディオも良い音がする。
・なんでも動くWindows11に見えて、動かないソフトがある驚きとドキドキ感が良い
・スマホからPCへのBluetooth送受信が凄い早い
・ペイントソフトで全力で描いたペンギンの絵をAIが描きなおしてくれる
【Bluetoothのオーディオコーデックについて】
Snapdragonなのでひょっとしてハイレゾコーデックに対応していると期待をしていましたが、Windows11の対応を見る限りは「SBCとACCがネイティブ対応」でAptxやLC3は不明です。調べ方もよくわかりません。確かWindows10の時はAptxにも対応していたと思うのですが。各メーカーのパソコンハードウェア、チップセットやドライバーソフトの影響もあるのでしょうか?Windowsは特にこのコーデックの部分はグレーで”モヤモヤ”しています。現在「LDAC・aptX・aptX HD」はオープンソース化しているはずなので、せめて「aptX HD」は期待していたのですが・・・。
コーデック サンプリング ビットレート
SBC 48kHz/16bit 192kbps
AAC 48kHz/16bit 非公開
aptX 48kHz/16bit 384kbps ※可能性
aptX HD 48kHz/24bit 576kbps
aptX Adaptive 48kHz/24bit 280kbps~420kbps可変
aptX Adaptive 96kHz/24bit 260kbps~640kbps可変
LDAC 96kHz/24bit 990kbps/660kbps/330kbps
aptX Lossless 44.1kHz/16bit 最大1200kbpsでビットレート可変
LC3 48kHz/32bit 16kbps – 320kbps ※可能性
aptX Adaptive対応のイヤホンで聴いてみた
接続はSBCではないですが、「ACCなのか?Aptxなのか?」はよく分かりません。両者イヤホンの音質は良く、映画やyoutubeを見る分にはまったく問題ありませんが、音楽を本気で聴くにはビットレートが低いので、やはり解像度の低さ・音場の狭さ、音圧の低さなどを感じてしまいます。IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9はせっかくSnapdragonを搭載しているんですからBluetoothコーデックは全対応で、特別感を出してほしかったですね。いつも思うのですが、Bluetoothコーデックに関しては、何か大人の事情があるのでしょうか?
【総括】
最初Googleドライブが使えないのは致命傷だったのですが、どうも2024年後半には対応する事を「Qualcomm IFA 2024」で発言した模様です。MicrosoftのOffice系は今のところほぼ問題なしです。昔に比べると大分RAM/64ネイティブ対応アプリケーションがかなり増えてとはいえ、まだまだだと感じました。今後、もっと増えれば使いやすく進化するでしょう。やはり、どこかの組織が圧力をかけて対応を阻んでいるとしか思えません。(笑
しばらく使っていますが「Googleドライブが使えない大きな問題」「本体がちょっと重い」以外はそんなに気になることは無く快適に使ってます。
色々なスタイルで使えるしペンも使える「Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9」は価格も手ごろで非常にコストパフォーマンスが高い商品だと感じました。
また、日常的に使う必須ソフトが動作するのであれば、メインマシンとしても十分に利用できるノートPCだと思いました。
※Qualcomm IFA 2024にて:「Microsoft と Qualcomm がアプリ開発者にアプリケーションを Windows on Arm に移植するよう懸命に説得してきたことを受けて、Google は今年後半に Windows 上で Google Drive の Arm64 バージョンをリリースすることを約束しました。」との事・・・。
※内容はあくまでも個人的な環境下での考えですのでご了承ください。参考程度にお読みいただければ幸いです。