iBasso audio DX160 |
私がiBasso DX160を買ったのは・・・
SONYの「ウォークマンNW-ZX300」を売り飛ばしたからです。もともと最新の「NW-ZX507」を買おうと思っての事でしたが、色々な評価を見ていて、二の足を5回ほど踏んでいました。それはNW-ZX300とあまり音が変わらない事や価格も高いことなどです。実は個人的にNW-ZX300に関しては、音は良いんですがNW-WM1Zほどの感動もなく、外出時に「アルミボディで軽い」と言うことが最も大きな所有理由でした。
そして最も大きなDX160の購入理由は、前回「HiBy R6 Pro」を購入し、品質・音質共に申し分なく「もう、中国かなぁ~」とシミジミ思ったからです。SONYが悪い訳では無く中国メーカーが良くなり過ぎたのです。また、個人的にDAPに関しては常にボディ素材「銅」「316Lステンレススチール」「アルミ」3タイプ用意しておく癖があります。アルミニュウムで価格も安く評価も高かったDX160を見つけて今回の購入に至りました。
また、DX160のスペックは素晴らしいです。この価格でここまでのスペックは素晴らしいと思いました。しいて言うと液晶ガラスは「ゴリラガラス」にしてほしかったです。でも、この価格だと難しいのかな?
【DX160の仕様】
■カラー:ブルー
■搭載 DAC:Cirrus Logic製CS43198を2基搭載
■本体素材:アルミニウムボディ
■CPU:Rockchip RK3368 Cortex-A53 8コア 1.5GHz(64bit対応オクタコア)
■OS:Android 8.1(ストリーミング再生対応)
■RAM:2GB
■内蔵ストレージ:32GB
■ディスプレイ:5.0 インチ
■解像度:1980 x 1080 画素 Full HD ディスプレイ(IPS) 1670万色sRGB比95%
■対応ファイル形式:MQA、APE、FLAC、WAV、WMA、AAC、ALAC、AIFF、OGG、MP3、DFF, DSF, DXD, DST(CUE), ISO, M3U, M3U8
■音源再生:384kHz/32bitまでのPCMと11.2MHzまでのDSD音源
■Wi-Fi:802.11 b/g/n/ac (2.4Ghz/5Ghz)
■Bluetooth:5.0(LDAC/aptXに対応)
■USBポート:Type-C(USB-DAC対応)
■出力系統:3.5mm ステレオ出力、4.4mm バランス出力、3.5 mm ライン出力、 3.5mm 同軸出力
■バッテリー:3200mAh 3.8V リチウムイオンバッテリ
■充電規格:QC3.0, PD2.0, MTK PE+ 対応
■時間:平均プレイ時間 13時間
■サイズ:123mm x 69mm x 15mm
■重量:178g
※詳細はiBasso audio正式代理店の(株)MUSINホームページを確認してください
※iBasso audio DX160のページ
※ファームウェアアップデート (Local Update)
開封
ケーブル・専用ケース・保護シートが標準で付いていました。
外観
コンパクトで非常に軽いです。イヤホン端子は下で、USBポートが上に配置されています。このクオリティーの高さは素晴らしいです。
ケースに入れる
流石に専用ケースです。ピッタリ!市販では良いのが全くありません。
android OSの起動も比較的早いです。 |
液晶はIPSパネルを採用しており、1670万色でsRGB比95%だそうです。写真などはかなり綺麗で良い発色をしています。動画も明るく綺麗。 |
液晶保護フィルムとmicroSDカード
標準添付とは知らずに保護フィルムを買ってしまいました。サイズが凄い小さいです。液晶の中心部しか守れないと思た方だ良いです。標準添付に張り替えようと思ったのですが、全く同じ大きさで小さかったです。microSDはスロットタイプです。
スロットに押し込むタイプです |
液晶保護フィルムのサイズがかなり小さいです。 |
評価に使用するイヤホン
現在私のお気に入りのイヤホンは「AKG N40」「AKG N5005」「HA‐FW1500」「RHA CL2 Planar」です。今回は勝手にアルミボディーのプレイヤーと相性が良いと思っている、価格帯の近いAKG N40を中心に評価レビューを行います。
■AKG N40(ハイブリット:ダイナミック型x1、BA型x1)
N40は低音用ダイナミック型ドライバーx1と、中高音用のBA型ドライバーx1を搭載したハイブリットイヤホンです。ハイレゾ対応で迫力の低音域と透き通るような高音域が得意なイヤホンです。本当に低音も高音もキッチリ出すN40は素晴らしいです。ただ、ケーブル・イヤーチップ・DAP(デジタルオーディオプレイヤー)の相性が悪いと、途端にパッとしない音になります。
■AKG N5005(ハイブリット:ダイナミック型x1、BA型x4)
ダイナミック型x1、BA型x4と言う構成で、低音・中音・高音域までBA型を中心に細分化しています。音場の広さ、繊細さ、解像度の高さではN40の遥か上を行き、どこまでも澄んだ美しいサウンドを聴かせてくれます。N40で聴こえなかった音が更に聴こえてきます。各楽器の低音・中音・高音の全てがキッチリと、ボーカルはクッキリと前面に、特に女性ボーカルは美しいです。疲れにくい音で何時までも耳を傾けていたいと感じます。
■HA‐FW1500(ダイナミック型x1)
ウッドドームカーボン振動板を搭載した、JVCの次世代WOODイヤホンです。重低音から煌めく高音域まで表現します。ダイナミック型一基で広い帯域をとても綺麗に表現できる希少なイヤホンだと思います。比較的プレイヤーを選びませんが、相性の良いケーブル・イヤーチップ・DAP(デジタルオーディオプレイヤー)をチョイスると抜群の音が出ます。
■RHA CL2 Planar(平面磁気ドライバーx1)
文字通り振動板が平面のドライバーです。音質はダイナミック型でもなくBA型でもなくハイブリッド型でもない独特な音質です。雑味が無く全域で鋭く立ち上がる音と、高い解像度は圧巻です。また、ボーカルの美しさは素晴らしいです。ただ、独特な音と、音の奥行があまりなく、音が目の前の近い所にあります。個性的なイヤホンです。
聴いて見る
プレイヤーアプリは標準の「MangoPlayr」を使用しました。MediaG0からのプレイリストもインポートできました。Audio Settingはデフォルトです。
音源は、CDからFLAC「Free Lossless Audio Codec」無劣化でコーデックした楽曲が90%、残り10%はハイレゾ音源です。楽曲の内容は「お洒落なミュージック 」で紹介している音楽がメインになります。
★エージング0時間
ファーストインプレッションです。これは・・・素晴らしいです。まったくエージングをしていないにもかかわらずハッキリと音の良さが分かります。音場は広くN40らしい切れの良い見通しの良い低音とファーと広がる高音域が美しいです。NW-ZX300ともそうでしたが、N40はアルミボディのプレイヤーと相性がいいです。
まだ高音域が耳に刺さったり、低音に締りが無いとか、ボーカルが少し埋もれていたり、2枚ほど音に膜がありますが、アルミらしい軽やかでスピード感のある音が出ています。更に高い解像度とシッカリとした音圧が加わります。これはもう税込39,820の音ではないです。この時点ですでに「ウォークマンNW-ZX300」越えすら感じます。今後のエージングで、音の輪郭がシッカリして、音の奥行が出て、もう少し低音域がシッカリ出ると完璧かな!
★エージング100時間
2枚ほどあった膜が取れ透き通る音質になりました。音場の広がり、奥行きは0時間の頃とほぼ同じで安定しています。N40の煌めく高音域は耳に刺さることもなく、スーッと伸びてゆき、更に見通しが良くなりました。相変わらず低音域は少し弱いですがきちんと出ています。この辺りからNW-ZX300との音の違いが出てきました。音のスピード感は似ていますが、ZX300は「粒だった柔らかさ」DX160は「切れのいい柔らかさ」と言った感じです。全体的な音の軽さは変わりません。
★エージング200時間
低音は物足りなさはありますが、シッカリとでています。中音域の軽快感もアップし、高音域は更にキラキラです。このキラキラ感はNW-ZX300より上です。全体的な音の軽さは変わりませんが、シッカリとした音圧があります。相性のいいイヤホンに出合えば長く付き合えると思います。コストパフォーマンスは高いです。
他のイヤホンでも聴いてみた
■AKG N5005(ハイブリット:ダイナミック型x1、BA型x4)
N40に比べ更に解像度が上がります。低音域・中音域・高音域の音の全てがフラットに見渡せそうです。N5005の特性をキッチリ発揮できています。しかし、N5005の本領はこんなものではありません。DX160では役不足です。
■HA‐FW1500(ダイナミック型x1)
FW1500の持ち味である低音域から高音域までキッチリ出ています。重低音は弱いですが、切れのいい低音が良くなります。解像度は高いですが、音場はあまり広くありません。DX160の持ち味である「アルミならではのレスポンスの良い音質、そして高音域のキラキラ感」、FW1500を合わせる事により、音質に深みが出で音圧も上がります。個人的に相性はとても良いと思います。
■RHA CL2 Planar(平面磁気ドライバーx1)
明るくスピード感がありキラキラした高音域がウリのCL2です。低音域が少し弱いですが、解像度の高さはピカイチでDX160との相性は中々の物です。DX160もキラキラ、CL2もキラキラで凄いことになります。高音命で毎日キラキラしたい人に良いと思います。(笑
不満もある
ケースに入れた状態で、本体を軽く握ったりすると各ボタンが押された状態になることが多々ありました。ロックスイッチがあると良いと思いました。また、画面消灯時のハードボタンの挙動がおかしい時がある。設定ミスかな?
軽く触っただけでスイッチが入る。ケースに入れた状態ではボタンにクリック感がなく、ツイツイ押し過ぎてしまう。 |
画面消灯時、ボタン操作の共同が怪しい時がある |
HiBy R6 Proと比べてみた
(外見について)
こうやって見るとHiBy R6 Proのコンパクトさが際立ちます。重さは100gほど重いですけども。HiBy R6 ProもそうですがDX160のハードウェアの造りは素晴らしいです。何年も大量のスマートフォンを作り続けている結果なのでしょう。ただ、個人的には操作性はあまり良くないと感じました。ケースに入れた状態の操作性はHiBy R6 Proのほうが良いです。
大きな画面と見た目以上の軽さは、DX160の大きな武器になります。R6 Proのズシッとくる重さも武器になります(笑 |
(音について)
好みの問題ですが、明らかにHiBy R6 Proの音のが好きです。
■DX160
スピード感のあるサウンド。全体的に音質は柔らかい。もう少し音圧や低音域が欲しいところだが、高音域の伸びと広がりは素晴らしい。本体も軽いが音圧も軽い(笑
■R6 Pro
ズンと締りの良い低音域、どこまでも美しい高音域、切れの良いドラムス、全体的にソリッドで聴きごたえを感じる。本体は重いが音圧も力強い(笑
※ただ、音源ファイルの対応が示されておらず、実際に再生できないファイルもある。また、再生できないファイルは爆音ノイズとなり残念なところ。今後のバージョンアップに期待
【総括】
軽くて、安くて、音が良い!3拍子揃った気軽に使えるミドルクラスのデジタルオーディオプレーヤーです。下手をすると格上の出来の悪いアルミボディープレイヤーを喰ってしまうかもしれません。ただ、深みのある良質の低音が出せるプレイヤーではないので、低音好きの方には物足りないかもしれません。R6 Proに比べると、音の輪郭や深み、細やかな音の表現はかないません。しかし、スマホオーディオに飽きた方やハイレゾプレイヤーの入門機としてはかなりのコストパフォーマンスです。興味のある方は見つけたらすぐ買いましょう!買って損はないです。合わせるイヤホンによっては十分に聴きごたえのある音を出します。
ただ、2020/01現在、事情により生産を一旦終了しているようです。
「iBasso Audio DX160の製造についてのご案内」
以前、Pioneer(パイオニア) XDP-30Rを所有していました。価格的に3万円程度でしたからDX160と同じミドルクラスだと思います。時代が違うので比べるのは酷なのですが、音は雲泥の差があります。2020年現在日本国内メーカーで新製品を発売しているメーカーはSONYくらいしかないのではないでしょうか?SONYには頑張ってもらいたいところですが、中国製品の壁は大きくなる一方だと感じました。