2020年8月現在、手放せない5本のイヤホンが手元に残っており、それぞれにバランスケーブルを装着しています。色々な組み合わせで聴いてきましたが、最もお気に入りの組み合わせが出来ました。あくまでの個人的な耳好みなので参考までにお読みください。
評価環境
・デジタルオーディオプレイヤー「Fiio M15」
・ケーブルは2.5㎜又は4.4㎜のバランスケーブル
・イヤーチップは全てコンプライ(耳垢フィルター付き)
★AKG(アーカーゲー)N5005 + onso iect_04
AKG N5005はカマボコ状で、原音を大切に、全ての音が美しく繊細に表現されます。音場も広く、音の余韻の伸びが最後まで聴こえるようです。低音域は比較的マイルドで、中音域は繊細にシッカリと、高音域はキラキラしています。また、音の抜けも良く、鼓膜にかかる圧が優しい感じがします。
onso iect_04ケーブルにより、透明感があり、解像度も上がり、音の見通しは更に良くなり、無理なく低音域と高音域が広がります。良質の銅と銀を使っている気がします。N5005の特性を自然な形でアップグレードしてくれます。癖のない良いケーブルです。タッチノイズはありませんが時々ケーブルが耳から外れます。
★Fiio(フィーオ) FiiO FH7 + NICEHCK BLOCC
FiiO FH7は逆カマボコ状で、低音域と高音域がとても力強い音圧で迫ってきます。音質はどちらかと言うと少しソリッドに感じる事もあります。繊細で優しいAKG N5005に比べるとスピード感とエッジの効いた弾ける様な音が魅力です。ダイナミックドライバーのサイズは5台中もっとも大きく、重低音も文句ありません。また、超高音域もBAドライバーでカバーします。しかし、ボリュームを上げると高音域が耳に刺さることもあり、大きな音で長時間聴くと疲れる事もあります。
NICEHCK BLOCCケーブルにより、音空間が一回り広がります。音質は更にクリアになりました。解像度も上がり、音質は「激しい音」から「豊かな音」へイメージが変わりました。相変わらずボリュームを上げ過ぎると耳に刺さり気味ですが、以前のようなことはありません。こちらも、癖のない良いケーブルです。タッチノイズはありません。
また、見た目がとても悪く、私の耳では余る巨大な耳掛けガイドにより、ブッ格好なのですがFH7を一番安定して耳に装着出出来ました。実はこのケーブルを選んだ大きな要因の一つがこの耳掛けガイドです。FH7は私の耳には巨大なのでケーブル選びが大変です。
★AKG(アーカーゲー)N40 + HiF4834
AKG N40はダイナミックドライバーが低音域BAドライバーが中高音域を受け持っています。全体的に雑味がなく素直で澄んだ音を出してくれます。特にバランスド・アーマチュア・ドライバーとダイナミック・ドライバーを、アコースティックにチューニングし、段付きのないバランスの良い音に仕上げている事に感動をしてしまいました。
FiiO FH7や AKG N5005を聞いた後では、何とも簡素なシンプルな音に聞こえます。ドライバーの数も2基しかありませんし、ダイナミックドライバーのサイズも8mmと最も小さなサイズです。なので、重低音までは望めませんし、少し物足りない気もします。しかし、30秒もするとこのシンプルな音質がとても心地よくなるのです。適度な低音域と、他の音に埋もれない高音域のキラキラ感はとても心地よいのです。手放せない不思議なイヤホンなのです。
HiF4834ケーブルにより、N40の個性は変わらず解像度が少し上がります。銅オンリータイプのケーブルですが、高音域がスポイルされることもありません。癖のない良いケーブルです。タッチノイズはありません。価格も安くコストパフォーマンスの高いケーブルです。
★JVC HA-FW1500 + AKG CN120
音のスピード感・切れ感・音の深み・際立つ美しい高音域と程よい重低音、アコースティックでも電子楽器でも楽器を選ばないオールラウンドなイヤホンだと感じます。ダイナミックドライバー1基でよくもここまで広い帯域をきっちりカバーできていると感じます。
WOODシリーズとは思えないレスポンスの良さは楽曲のジャンルも選びません。周波数帯域幅の広さは5本中ピカイチです。また、他の4本はどちらかと言うとクールな音を出しますが、HA-FW1500はウォームな音質です。ただ、少し音場は狭く中音域の見通しが悪く感じます。
AKG CN120ケーブルにより、解像度が少し上がります。音場はさほど広がりません。AKG N40に比べると音が真ん中に集まっており多少音場の窮屈感を感じます。しかし、中音域の不足は低音域と高音域がカバーしており気にならなくなりました。HA-FW1500重低音を望む楽曲に出合うと豹変します。体が震えるほどの重低音が出てきます。これはもうスピーカーです。タッチノイズはありませんが、ケーブルがあまりしなやかでなく、取り回しがあまり良くありません。
(※実はHA-FW1500はHiF4834ケーブルとも相性が良かったです)
★RHA CL2 Planar + onso iect_03
音の立ち上がりのレスポンスの速さ、見通せない音が無いくらいの解像度、音圧の高さ、モニターにもリスニングにも使えそうな正確な音質、美しい高音域、スッキリと沢山の音が出ているのに絶対見失わない美しいボーカルやコーラス。低音域より高音域よりの周波数帯域のせいか、平面駆動という特性のせいか、音質はソリッドで時々金属音に感じる時があいます。音の雰囲気としてはFH7に少し似ている気もします。音場はあまり広くなくボーカルはとても近く感じます。今まで経験したことのないCL2の音質はダイナミック型でもBA型でもハイブリット型でもない第4の選択肢と言うだと感じました。インピータンスが小さいのでどんなプレイヤーでもシッカリと鳴ります。
onso iect_03ケーブルにより、パンチ力はそのまま少し高音域がマイルドになりました。少しソリッド感が薄れ金属音的な感覚も無くなりました。解像度はあまり変わりませんが、音の見通しは良くなりました。ボーカルがとても近く、一気に全音域が「バーン」と立ち上がる感覚はとても元気が出ます。
必要に応じて2.5mm ⇔ 4.4mm変換ケーブルも利用します。
【Five Earphone スペック比較】
製品名 | AKG N5005 | FiiO FH7 | AKG N40 | JVC HA-FW1500 | RHA CL2 Planar |
---|---|---|---|---|---|
一言個性 | カマボコ 繊細貴公子 |
クールな ドンシャリ |
美しき 高音空間 |
癒しの 重低音 |
フラット ソリッド |
タイプ | ハイブリッド型(カナル) | ハイブリッド型(カナル) | ハイブリッド型(カナル) | ダイナミック型(カナル) | 平面駆動型(カナル) |
カラー | ブラック | ブラック | クローム | ブラック | ブラック |
ユニット | BA型×4、9.2mmダイナミック型×1 | BA型×4、13.6mmダイナミック型×1 | BA型×1、8mmダイナミック型×1 | 11mmダイナミック型×1 | 10mmダイナミック型×1 |
周波数特性 | 10Hz ~ 40kHz | 5Hz ~ 40kHz | 10Hz ~ 40kHz | 6Hz ~ 52kHz | 16Hz ~ 45kHz |
感度 | 99dB/mW | 111dB/mW | 109dB/mW | 103dB/mW | 89dB/mW |
インピーダンス | 18Ω | 16Ω | 20Ω | 16Ω | 15Ω |
コネクタ | MMCX | MMCX | MMCX | MMCX | MMCX |
重量 (ケーブル含まず) |
11.4g | 8.15g | 22g | 15g | 9g |
参考通販価格 |
¥99,880
(税抜)
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¥66,444
(税抜)
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¥39,880
(税抜)
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¥59,800
(税抜)
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¥57,000
(税抜)
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ケーブル | onso iect_04 |
NICEHCK BLOCC | HiF4834 | AKG CN120 |
onso iect_03 |
ケーブル素材 | 純度99.9999%以上の6N銅と、銀メッキされた銅純度99.99%以上のPCUHD、HiFC、OFCの3種の4N銅 | 銀メッキ単結晶銅 UPOCC 5N純度99.999% | 7N単結晶銅16芯 | 高純度6N-OFC導体 | 純度99.9999%以上の6N銅と、PCUHD、HiFC、OFCの3種の4N銅 |
【評価に使った主な曲】
「お洒落なミュージック」に集めているような曲を主に聴いて評価しました。下記はその一部です。
■Fourplay - WISH YOU WERE HERE
フォープレイは、ピアニストのボブ・ジェームス、ギタリストのリー・リトナー、ベーシスト兼ボーカルのネイザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソンの4人により1990年に結成された、スムーズジャズ、フュージョンのグループ。
何時聴いても時代を感じさせない美しいサウンド。各パートの楽器の囁くような音まで聴きとれるかどうかがポイント。
■Massive Attack - The Spoils ft. Hope Sandoval
マッシヴ・アタックは、イギリス・ブリストル出身の音楽ユニット。
全体的に暗く重く気だるい浮遊感のある音楽が特徴。基礎にはJazz・ロック・ソウル・などの様々なサウンドがミックスされている。この曲はストリングスにより美しくもダークなバラード、切ないメロディーと歌声に引き込まれていく。
■Black Pumas - Colors
Black Pumasはアメリカのソウルバンド。
ブラック・ピューマズは、シンガーのエリックバートンとギタリストのエイドリアンケサダが率いるアメリカのソウルバンド。いきなりエッジの効いたカッコいいアコースティックギターソロから始まる。そして切なくもハートにグッとくるボーカル。どこか懐かしい気持ちになります。
■The Weeknd ft. Daft Punk - I Feel It Coming
ザ・ウィークエンドはカナダ出身のR&Bシンガー
I Feel It Comingが収録されたアルバムにはダフトパンクが参加しており兎に角カッコいい!少し音のこもった感じからフェードインしてゆき、スーッと霧が晴れた様にキレキレもサウンドになっていく。演奏も声も素晴らしいです。特にベースランニングがカッコよく再生できるかどうかがポイントです。
■Ariana Grande ft. The Weeknd - Love Me Harder
アリアナ・グランデはアメリカ出身のポップス・R&Bシンガー
こちらはアリアナ・グランデの作品にザ・ウィークエンドが参加した曲です。個人的にアリアナ・グランデの楽曲の中では最も好きな歌です。二人とも歌唱力が凄いので何度聴いてもカッコいいです。終盤にアリアナがハイトーンでハモリ、一か所アリアナが「イェイ」叫ぶところがあるのですが、この辺りがカッコよく聴きとれるかどうかがポイントです。
■London Grammar - Non Believer
ロンドン・グラマーはイギリスのインディーポップバンド
9小節目あたりから重低音のベースが走る。切れの良いドラムスと重低音のベースがきちんと聴こえるかがポイント。ボーカルは良い声をしている。
■AURORA - Exist For Love
オーロラはノルウェー出身の歌手
静かなバラード、演奏もシンプル。ボーカルがきちんと聴き取れ、音楽に没頭でき感動できるかどうかがポイント。自分で曲も作る個性的なアーティスト。
■MONDO GROSSO / 惑星タントラ (Short Edit)
モンド・グロッソは大沢伸一のソロプロジェクト。色々なボーカルアーティストが参加している。タイトルや歌詞は別にして、美しいメロディーと透明感のあるボーカルに惹かれます。さて、このボーカルはだれでしょう?。
■iri -「Sparkle」
イリは日本のシンガーソングライター
色々なジャンルをうまく絡めた音楽だと思う。ポップで切れの良いサウンドはカッコいい。SONYとコラボした良い曲。
■Crowded House - Don't Dream It's Over
クラウデッド・ハウスはオーストラリアのロックバンド
Don't Dream It's Overは1993年の古い楽曲。大好きな楽曲なので良い音で聴きたい。当時の演奏の音がどこまで聴こえるかがポイント。この曲は色々なアーティストにカバーもされている。
■Sixpence None The Richer - Don’t Dream It’s Over
シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーはアメリカのロックバンド
クラウデッド・ハウスのDon't Dream It's Overをシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーがカバーしている。ボーカルが変わるとかなり癒される。
■Coldplay - Adventure Of A Lifetime (Official Video)
コールドプレイは、イギリスで結成されたロックバンド
ロックの王道バンド。特にこの楽曲は、私の中でNo1サウンド。各パートがどこまで聴きとれるかどうかがポイント。お猿さんも踊るカッコよさ!
【その他のお気に入りDAPとの組み合わせ表】
現在、よく使うお気に入りのデジタルオーディオプレイヤーは3機種あります。
「Fiio M15」「HiBy R6 Pro」「HIDIZS AP80ProCP」です。簡単に表によく使う組み合わせをまとめてみました。
・Fiio M15:アルミ筐体でアンプが良い優等生音質。リファレンスDAPかな。
・HiBy R6 Pro:ステンレススチール筐体のクリアで煌めく音質は素晴らしい。
・HIDIZS AP80ProCP:コンパクト低価格ながら銅ボディー、良い音持ち歩き用。
※DAPの説明はそれぞれの紹介ページをご覧ください
Five Earphone x DAP 組み合わせ表
①~⑤よく使う組み合わせ順位
①~⑤よく使う組み合わせ順位
製品名 | AKG N5005 | FiiO FH7 | AKG N40 | JVC HA-FW1500 | RHA CL2 Planar |
---|---|---|---|---|---|
インピーダンス | 18Ω | 16Ω | 20Ω | 16Ω | 15Ω |
Fiio M15 |
② | ① | ④ | ③ | ⑤ |
HiBy R6 Pro |
① | ② | ⑤ | ④ | ③ |
HIDIZS AP80ProCP |
③ | ④ | ① | ② | ⑤ |
■Fiio M15は最も高額なDAPです。どんなイヤホンでもヘッドホンでもならせる事ができます。優等生な音質です。今までのアルミ筐体DAPの中では一番音が良いです。
■HiBy R6 Proの音は秀逸です。どんな楽曲でも、迫力・切れ・空間の広さ・抜け感・音の伸び・ソリッド感など、どんなイヤホンでも聴きごたえのある美しい音になります。ステンレススチールの音は癖になります。実は個人的には一番好きなDAPなのです。
■HIDIZS AP80ProCPは上2機種に比べると、迫力・音の深さ・切れ・繊細さには負けます。しかし、コストパフォーマンスはピカイチ!この価格でこの音質は素晴らしいです。どんなイヤホンでもそれなりに良い音で鳴らします。また、出歩くときにこのコンパクトさは武器になります。
【総括】
イヤホンと相性の良いバランスケーブルを見つける事が出来れば大抵の場合音質はアップグレードできます。しかし、粗悪な商品を買うと銭捨てになりかねません。良いケーブルを買いましょう!お店で試して購入するのが一番ですが、下記に、ネットで購入する時の個人的な心得を書きます。ご参考までに。
①あまり安物は買わない(個人的には8000円以下は買わない)
②レビュー評価をシッカリ読む(統計的に良い評価が多ければ〇)
③純度の高い銅素材のケーブルを検討(銅は低音域が良く出る)
④高音も欲しけれが純度の高い銅素材に純度の高い銀被膜を検討
⑤Amazon本体、またはメジャーな出展者から買う
ありがちなリスク
・出展者(お店)情報はよく見る(いい店を選ばないとトラブルの元)
・在庫有でも、納期をよく見る(長いものは海外から出荷の恐れ有り)
・タッチノイズが酷い
・MMCXコネクタがイヤホンとの相性が悪い
・接触が悪い。
・ノイズを良く拾う
・あまりにも音が悪い
もし、商品に異常があれば速攻でAmazon様や出展者に不良交換または不良返品を依頼しましょう!経験上Amazon様の対応は安心です。
※すべての掲載内容はあくまでも個人的に感じている事柄です。ご了承ください。