aptX-LL(Low Latency)+ aptX Adaptive SENNHEISER BT T100 + CX Plus True Wireless |
かれこれ10年ほど前になりますが【大画面テレビ「イヤフォンで聴くと音がショボイ」とお嘆きの方にお勧めのヘッドホンアンプ[FOSTEX HP-A3]と[DENON DA-300USBS]】と題しブログを書いたことがあります。
現在でもヘットホンアンプ[FOSTEX HP-A3]から延長コードで有線イヤホンを伸ばし、夜間などNetflixやYouTubeを楽しんでいます。しかし、時代は「完全ワイヤレスイヤホン!」そろそろアップデートを行いたいと思います。ただし、今の資産も生かしながらコスト控えめで構築したいと思います。
【完全ワイヤレスイヤホンで低遅延の音を楽しむには】
■コーデック
低遅延で音をBluetooth送信するためのコーデック「aptX LL」又は「aptX Adaptive」に対応した送信機と受信機が必須条件となります。
※「aptX LL」:CD音源と同等の音質を保ちつつ、より低遅延を実現したコーデック。(低遅延は40ms未満を目安)
※「aptX Adaptive」:aptX Adaptiveは高音質のaptX HDや低遅延のaptX LLなどを統一化したコーデックとして登場。(低遅延は50~80msが目安)
※「aptX Adaptive」は「aptX LL」よりも遅延が少し多いです。しかし、人間の脳は100ms(0.10秒)以下の遅延は感じにくいと言われているので、大きな問題ではないと感じます。
■送信機
低遅延で音をBluetooth送信できるトランスミッター
「ゼンハイザー Bluetoothオーディオトランスミッター BT T100」をチョイスしました。「コーデック(SBC・ aptX・aptX LL)、Bluetooth V4.2」と規格的には少し古いですが、価格が安くゼンハイザーと言う事で安心です。
■受信機
低遅延で音をBluetooth受信できる完全ワイヤレスイヤホン
「ゼンハイザー 完全ワイヤレスイヤホン CX Plus True Wireless」をチョイスしました。「コーデック(SBC・AAC・ aptX・aptX Adapative)、Bluetooth V5.2」と規格的には新しいです。aptX Adapativeのハイレゾ高音質モードが(96kHz/24bit)まで対応するのかは不明ですが、(48kHz/24bit)は間違いありません。aptX Adaptiveは低遅延モード~高音質モードは自動で可変します。
※今回、「aptX LL(低遅延は40ms未満)」と「aptX Adaptive(低遅延は50~80ms未満)」の組み合わせになります。基本的に遅い方にスピードが合うので、今回の組み合わせでは(低遅延は50~80ms未満)と言う事になると思われます。
【「BT T100 ブラック」&「CX Plus True Wireless ホワイト」】
商品が到着しました。価格もまずます安いので仕方ないですが、両製品少しチープに感じます。性能に期待です!ただ、ちょと残念なのは、BT T100の周波数帯域は「20Hz-20kHz」、CX Plus True Wirelessの周波数帯域は「5Hz-21kHz」なので共にハイレゾ対応ではありません。
■Bluetoothオーディオトランスミッター BT T100
インターフェースは右から、「USB-Cの電源」「光デジタル入力」「切り替え」「3.5mmアナログ入力」と言った感じです。フロントにはボタンが一つ、電源のON/OFFやBluetoothのペアリングや解除などに使います。
★詳しくはメーカーホームページをご覧ください。(マニュアル)
■完全ワイヤレスイヤホン CX Plus True Wireless
ケースは少しチープ。イヤホン本体の質感は悪くありません。ただ、本体を取り出すときに乾燥体質の私の指では滑りやすいです。あと、マイクの ∵ の穴が顔に見えてきて可愛いです(笑
(仕様)
★詳しくはメーカーホームページをご覧ください。(マニュアル)
【イヤーチップ SpinFit スピンフィット】
【セッティングする】
さて、それではセッティングします。検討の結果、光入力ではなく3.5mmアナログ入力にします。(ヘットホンアンプ[FOSTEX HP-A3]➡延長コード➡有線イヤホン)の構成を一切変更することが無いからです。延長コードを抜き、両端3.5mmのケーブルで[FOSTEX HP-A3]と[BT T100]を接続します。入力切替スイッチは3.5mm側にスライドさせます。
【ペアリングする】
「CX Plus True Wireless」の両ヘッドをアナウンスが流れるまで同時に長押してペアリングモードに、「BT T100」の電源ボタンを4秒ほど長押してペアリングモードにします。しばらくするとペアリングします。「Power on connect volume Max」というアナウンスが流れます。
※上手くいかなかったときは電源ボタンを10秒以上長押しし、ペアリング機器の全解除をします。再度ペアリングを行ってみます。液晶画面も何もないので本当に手探り接続です(笑。 ちょっと慣れが必要かもしれません。
一度ペアリングすると以降は「BT T100」の電源が入っていれば、好きな時に「CX Plus True Wireless」をケースから取り出せはすぐに接続されます。
「赤ランプ」ペアリングの待ち受け状態 |
ただ、トランスミッター BT T100の置き場所によってはノイズが出ます。どこからノイズを拾っているのかは定かではありませんが、3.5mmアナログ接続の為、多少は仕方ないと考えます。
【音を聞いてみる】
ペアリングしてしまうと、出来ることはあまりありません。コーデックの指定も切り替えも一切できません。出来るのはボリュームの調整くらいです。イヤホン側のボリュームは中間位にしておいて、後はアンプのボリュームで調整します。(右を長押しするとボリューム+)(左を長押しすると -)となります。
予想以上に良い音です。全体的にスッキリとした音で、クリアで見通しの良い音質です。トランスミッターの「周波数特性:20Hz-20kHz」、イヤホンの「周波数帯域:5 hz ~ 21,000 Hz」と言う事で、特に中音域が優秀で音声(話し声や歌声)が聞き取りやすくテレビの視聴にはベストマッチしています。低音域~高音域までフラットに、そして迫力のある美しい音質です。特にギターの音や女性ボーカルが綺麗です。YouTubeでミュージックビデオを本気で楽しめます。
メディアプレーヤーには Fire TV Stick 4K Maxを利用 |
日本語の喋りを見ると、気持ち遅れている気もしますが、気になりません。吹替映画なら全く感じません。ほぼ無いと言っていいと思います。
(ノイズ)
トランスミッター BT T100の置き場所によってはノイズが発生しました。場所の位置を色々変えるとノイズの出方もかなり変わりました。ただ、ノイズが徐々に気になりだしたので後日ノイズ対策を色々検討してみようと思います。
(電波干渉)
電子レンジにたまに反応します。あとは両耳を手でふさぐとバッサリ切れます。BT T100とCX Plus True Wirelessの組み合わせは、特に人間の水分に弱いようです。なるべく自分の体を電波の壁にしない方が良いです。
※3.5mmアナログ接続における評価です。光接続の場合には内容は少し変わると思います。また光接続をする機会があったら追記します。
【CX Plus True Wirelessをスマートフォンとペアリング】
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gスマートフォンとペアリングして音楽を聴いてみました。aptX Adaptive(48kHz/24bit)で接続された音質は全体的に抜けが良く軽快で解像度も高く細部にわたるまで高精度な表現をします。周波数帯域が5Hz ~ 21,000 Hzなので低音域寄りの音かと思ったのですが、どちらかと言うと中音域がしっかりしている印象を受けました。もちろんノイズは皆無です。
個人的にはドンシャリ系が好きなのでCX Plus True Wirelessは少し物足りなく感じます。ただ、映画やドラマを楽しむときにはベストマッチするのです。
【ノイズ対策】
「オーディオトランシーバー:BT T100」と「ヘットホンアンプ:FOSTEX HP-A3」とのアナログ接続周りに目を向け、3.5㎜オーディオケーブルとUSB-Cの電源ケーブルに対策をします。3.5㎜ケーブルは「HiFiケーブル」に交換、USB-Cの電源ケーブルには「ノイズフィルター」を装着します。
★Amazon:MAVEEK フェライトコア ノイズフィルター
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■装着
ノイズ対策品を購入し接続してみました。「若干のノイズがあるかも?」と言う程度までノイズが無くなりました。主にUSB-Cの電源ケーブルからのノイズが酷かったようです。また、3.5㎜オーディオケーブル交換による効果もありました。よりクリアに音質が少しアップしました。これなら憂鬱なノイズを気にせず音楽や映画に没頭できます。
強いシールド機能で音質損失を最小限になり、干渉信号を効果的に防止出来ます。 |
フェライトコアの高周波吸収特性が効いて高周波ノイズが除去されます |
フェライトコアをUSB-Cのケーブルに3個付けました |
「オーディオトランシーバー:BT T100」と 「ヘットホンアンプ:FOSTEX HP-A3」接続 |
【総括】
個人的には、FOSTEXアンプに3.5㎜アナログ接続したのも大正解だったと感じています。CX Plus True Wireless自体のボリュームだけではすぐ上限が来てしまいますが、FOSTEXのアンプを利用すると質感がUPし余裕をもってゲインを可変的に変更できるイメージです。ボリュームを少々上げても音が割れたりすることもありません。BT T100との相性もあると思いますが、もし、TV用にアンプをお持ちの方は3.5㎜アナログ接続も試してみて頂ければと思います。
とても残念なお知らせ
ただ、この組み合わせで「テレビを遅延のない無線環境で、良い音で楽しむ」のコンセプトには間違いはありませんので、しばらく様子をみて、aptX Adaptive対応の最新トランスミッターが出るのを待つことにしました。
※内容はあくまでも個人的な考えですのでご了承ください。
参考程度にお読みいただければ幸いです。