2024年12月13日金曜日

FiiO(フィーオ)BTR17を購入しました。Bluetooth ヘッドホンアンプ レシーバーBTRシリーズがとうとうここまで来ました!aptX Lossless対応です。簡単にレビュー評価してみます。

 

FIIO BTR17
【初めに】

旧機種、FiiO BTR7からのアップグレードです。前回のBTR7は音質はスッキリとして良いんですが、どこか心に響くものが無く使用頻度がどんどん下がって行きました。なので今回は少し購入をためらっていました。しかし、私の知る限り「aptX Lossless対応 Bluetooth ヘッドホンアンプ レシーバー」は世界初?なのではと考え、とにかく「aptX Lossless」を試したいが為に、唯々その為のみに購入を決意しました。こんどのBTR17の音質が心にどう響くかは運任せとなります。

★BTR17を最高の音質で聴くための必要条件
①プレイヤーであるスマートフォン:Android OSであること
②音源データ:(44.1kHz/16bit)で作成されたロスレスFLACファイルであること
③SoC(システムオンチップ):Snapdragon Soundに対応したクアルコムのSoC
④スマートフォンのBluetoothコーデック:必ず「aptX Lossless対応」なもの
 ※特に④は重要です。
⑤バランス対応イヤホン:4.4㎜コネクタバランス対応のイヤホンであること
 ※バランス接続はアンプを2個使用して左右の信号を独立させて接続
 ※左右の音がセパレートし空間表現が豊。音の位置や繊細な表現に有利
 ※バランス接続(4.4㎜)とシングル接続(3.5㎜)とではアンプ出力が異なる

Losslessを利用するためにはスマートフォン(送信側)とレシーバー(受信側)の両方がaptX Losslessに対応している必要があります。
①②がクリアできていても③のSoCのシリーズやバージョンによって「aptX Lossless対応」となっていないスマートフォンも存在します。BTR17をご購入の前にご自分のスマートフォンの仕様等をご確認いただいた方が良いと思います。ご参考までに。

デュアル「ES9069Q」DAC構成と「THX AAA 78+」アンプを搭載。最新のQualcomm「QCC5181」プラットフォームによりLDAC/aptX Losslessに対応し、デスクトップモード時にバランス出力で最大650mWの高出力を実現。コンパクトなボディに凝縮された高度な音響技術により、新しいワイヤレスリスニング体験をお届けします。

AmazonFIIO BTR17 FIO-BTR17-B【Bluetooth ヘッドホンアンプ レシーバー】

【FiiO BTR17の主な特長】

・QCC5181搭載による最新鋭のワイヤレス性能でロスレスオーディオにも対応
・外部独立電源接続用ポートにより安全かつ効率的な電源供給を実現
・多彩な接続性と最適な電源供給を誇る3モード
・XMOS 16コア「XU316」の卓越した性能
・詳細な音質調整を可能にする10バンドの高精細ロスレスPEQを搭載
・デュアル「ES9069Q」DACによる高品位な音質再現
・「THX AAA 78+」アンプによる強力な出力と優れた音質
・ハイエンド相当の信号処理
・高音質かつクリーンにこだわった精密な電源設計
・優れたインターフェイスと高品位な立体彫刻加工
・高品質な8芯特製ケーブルを付属
・さらなる使い方が広がる、様々な機能と付属品
・使用感にこだわったホイールとボタンコントロール
・業界最新のBluetooth5.4に対応
・主要な高音質コーデックを網羅
  aptX Lossless:1200 kbps
  LDAC:990 kbps
  aptX HD:576 kbps
  aptX Adaptive:420 kbps
  AAC:328 kbps


【FiiO BTR17の主な仕様】
■商品名:FIIO BTR17
■型 番:FIO-BTR17-B
■カラー:ブラック

■DACチップ:ES9069Q×2
■アンプ回路:THX AAA 78+

■USBレシーバーチップ:XMOS XU316
■USB DAC:PCM 768kHz/32bit、DSD512(Native)、MQAフルデコード対応
■USB DAC動作モード:USB Audio Class 1.0モード(ドライバー不要)
■USB Audio Class 2.0モード(ドライバーインストールが必要、フルスペック再生可能)

■Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.4
■Bluetoothチップ:QCC5181
■Bluetoothコーデック
 AAC/SBC/aptX/aptX LL/aptX Adaptive/aptX Lossless/aptX HD/LDAC

■ヘッドホン出力端子:3.5mmシングルエンド + 4.4mmバランス
■3.5mmシングルエンド出力:280mW (32Ω、THD+N<1%)
■4.4mmバランス出力:650mW (32Ω、THD+N<1%)
  ※POWER IN端子からのUSB給電+(D.Mode)をON=出力:最大650mW
  ※POWER IN USB給電なし+(D.Mode)をOFF=出力:不明

■周波数特性:20Hz~80kHz(<3dB)
■SN比:≥126dB(USB入力時、デスクトップモード、A特性)
■THD+N:<0.00035%(USB入力時、デスクトップモード、バランス出力)
■MQA:フルデコード対応
■ディスプレイ:1.3インチ、40×240ピクセル、IPSパネル
■マルチポイント:不明
BTR17 のメーカー仕様の説明の中に「マルチポイント」の表記も説明もない。ただし、ヘルプページに「BTR17をBTモードで2台のBluetoothデバイスに同時に接続する方法 」と言うのがある。

■連続再生時間:約8時間(LDAC使用時)
■充電時間:約2時間
■外形寸法:約16.3×41.2×86.6mm
■重量:約73.4 g
■付属品:専用レザーケース、USB Type-C to Type-C ショートケーブル、
     クイックスタートガイド、PET保護フィルム(貼付済)
※詳しくはメーカーページをごらんください。

【開封】

箱はシンプルです。箱に過度のお金を掛けないのには好感度があがります。旧機種のBTR7よりも、ずいぶんと大きくなりましたが、それでもコンパクトだと思います。デザイン及び塗装は高級感にあふれています。ボリュームや各部のスイッチ類も非常に制度が高そうです。外見からもただ物ではないと感じます。音質にも期待が持てます。

BTR17の本体は多分アルミニウム合金で、真っ黒な塗装が施されています。非常に精密で制度が高い仕上げになっています。また、腕が未熟な為、あまり良い写真が撮れていないのはご了承ください。

BAL:4.4mmバランス接続コネクタ
OP:3.5mmシングルエンド接続 及び 外部ライン

USB:パソコンやスマートフォンと接続(Type-C)
POWER IN:充電用 USB給電(Type-C)
※高出力:POWER INでUSB給電+(D.Mode)ON=バランスで650mW
POWER IN USB給電なし+(D.Mode)をOFF=出力:不明

サラサラしています。素材はレザー?合皮?



ボタンスイッチ類が非常に使いやすいです
<スイッチ類>
一番上ホイール回す:ボリューム+-
一番上ホイール押す:一時停止・再生(電話:受ける:切る)
一番上のボタン(電源):長押しでON/OFF
二番目のボタン:曲戻る
三番めのボタン:曲送る

<モード切替スイッチ>
PC(USB DAC)モード:
・デバイスはPCからの電源供給で動作
BT(Bluetoothレシーバー)モード:
・内蔵バッテリーで動作
・USB接続時は充電と給電が可能
PHONE(スマートフォンUSB DAC)モード:
・内蔵バッテリーで動作
・スマートフォンのバッテリー消費を抑制

<D.Mode スイッチ>
・4.4mmバランス接続時、POWER INでUSB給電を行い、
 D.ModeをONにすると、高出力650mWになります

どこかで見たようなフォルムです・・。あっ!
昔使っていたウォークマンZX1を逆さまにした感じです。


FIIO BTR15と比べるとこんなに違います



【使用するプレイヤー】

プレイヤーには、SONY Xperia 1 VIを使用、BTR17と1対1で接続します。

<SONY Xperia 1 VI>Bluetooth 対応コーデック
SONY Xperia 1 VIは、ほぼ全てのBluetoothコーデックに対応しています。

コーデック サンプリング  ビットレート
SBC 48kHz/16bit         192kbps
AAC 48kHz/16bit         非公開
aptX 48kHz/16bit         384kbps
aptX HD 48kHz/24bit     576kbps
aptX Adaptive 48kHz/24bit     280kbps~420kbps可変
aptX Adaptive 96kHz/24bit     260kbps~640kbps可変
LDAC         96kHz/24bit     990kbps/660kbps/330kbps
aptX Lossless           44.1kHz/16bit     最大1200kbpsでビットレート可変
LC3 48kHz/32bit     16kbps – 320kbps
LC3(plus) 96kHz/24bit         16kbps – 320kbps


aptX Adaptive と aptX Lossless の違いのイメージ


あくまでも私の頭の中の簡単なイメージです。
厳密には私には理解できない事になっていると思います

コーデック サンプリング  ビットレート
aptX Lossless           44.1kHz/16bit     最大1200kbpsでビットレート可変

サンプリング周波数(Losslessの場合)
アナログ信号を1 秒間に44.1 kHzの間隔で区切ってデータを採取し16bitで数値化します。

・CD音質は1秒間に(44.1 kHz/16bit)でサンプリングされます。
・ステレオの場合(L)(R)の2チャンネルあるのでx2となります
・サンプリングデータ情報量は1秒間に44.1 kHzx16bitx2=1,411,200となります

CD音質をそのままBluetoothで転送する場合
・1秒間に約1411kHzのデータ転送速度が必要となります
・aptX Losslessビットレートは1秒間に最大1200kbpsとなります
・可逆圧縮でデータ転送します。差異の200kHzは十分にカバーできる?
・可逆圧縮はCD音質を劣化なくデータ転送できます。

と、こんな感じではないでしょうか。
※間違っていたら申し訳ありません。




【プレイヤーと接続する】

SONY Xperia 1 VI と Fiio BTR17を接続します。
Bluetoothコーデックはもちろん「aptX Adaptive/Lossless」を基本とします。

①スマートフォンで「デバイスの接続」を行います。
Xperia 1 VIの場合「デバイスの詳細」内容を確認するといきなりLEオーディオがONになっており、BTR17を確認するとLC3で接続されていました。


②スマートフォンで「LE Audio と  共有オーディオの受信」をOFFにします

③LDACで接続されました。
BTP17側の設定がデフォルトのままだとLDACが優先されるようです。

④Bose アプリケーションで使用コーデックから「LDAC」を外します。
BTP17を再起動します。メニューからBTR17を選択し設定に入ります。
使用コーデックから「LDAC」を外します
aptX Adaptive/Losslessを利用できるようになりました。





【聴いてみる】

■評価に使う楽曲
評価にはいつものようにYouTubeの「お洒落なミュージック」に掲載しているような楽曲を使います。音源データのサンプリングレートは(44.1kHz)(48kHz)(96kHz)(192kHz)のハイレゾおよび(44.1kHz/16bit)のロスレスFLACファイルがメインです。


プレイヤーは「Neutron Music Player」を使用します。

設定等が複雑ですが、機能が多く音質が良いです。WindowosPC版も存在しており、私の手持ちの全ての端末で統一できます。
※ノーマライゼーション(OFF)・イコライザー(OFF)に設定


■Xperia 1 VIとBTR17の接続における設定

・4.4mmバランス接続
・D.Mode:OFF
・BT(Bluetoothレシーバー)モード:ON
・コーデック:aptX Adaptive/Lossless

の設定で音楽を聴いてゆきます。



■いくつかのお気に入りのイヤホンで聴いてみます

2024年12月現在、私のお気に入りベスト4イヤホンで音楽を聴いてゆきます。


DUNU(ドゥヌ)Da Vinci(ダビンチ)

        ・ドライバー:ダイナミック×2、バランスド・アーマチュア×4
         (低音用)10 mmダイナミックドライバーx1
         (低音用) 8 mmダイナミックドライバーx1
         (中音用) BA型ドライバーx2
         (中高音用) BA型ドライバーx1
         (高音用) BA型ドライバーx1
        ・インピーダンス: 35Ω1 kHz 感度:109 dB/mW
        ・周波数応答範囲: 5Hz-40,000Hz
        ・イヤーチップ:(AZLA(アズラ) SednaEarfit MAX)[ L ]
        ・バランスケーブル:2pin4.4mm、8芯 単結晶銅銀メッキ


DUNU(ドゥヌ)Da Vinci(ダビンチ)は2024年の最後に買ったイヤホンです。
デザインにも音質にもこだわりを感じる逸品で、特にプレートのテクスチャーは他のオーナーと被ることは無い、ほぼ逸品物となります。ただ、選択できないのでプレートデザインが気に入るかどうかは運任せでもあります。「私のDa Vinciをご覧ください!が世界一美しいです。(笑)」きっと多くのオーナー様も同じ事を思っているのではないでしょうか?そんな楽しみもある商品です。

さて、音質ですがドライバーの数・種類をご覧いただいてわかると思いますが、重低音~超高音域までキッチリ鳴らすハイレゾ対応のイヤホンです。説明には「2基のダイナミック・ドライバーと4基のバランスド・アーマチュア、6ドライバー・ハイブリッド・アーキテクチャ、独立した5チャンネル・サウンド・ガイダンス+電子5ウェイ周波数クロスオーバー・コントロール、物理的および電子的な2周波チューニング・システム。」とあり、とにかく良い音を出すための技術が色々仕組まれています。

「Xperia 1 VI→(aptX Lossless)→BTR17+Da Vinci」がどんな音を出すのか聴いてみます。
これは凄い!「これ本当にBluetoothワイヤレスなの?」と思わず声が出てしまいました。私が過去に持っていた、どの「DAP」よりも音が良いです。正直もう専用「DAP(オーディオプレイヤー)」は不要ですね!本当にBTR17は良い音を出します。旧機種のBTR7からすると想像を絶する進化です。買ってよかったです。

圧倒的な解像度の高さ、濃厚な太い重低音、どこまでも抜けてゆく高音域、存在感のある中音域、圧倒的な音の厚み・深み、洗練された音質、しかも全ての帯域の音が喧嘩せず存在感を持っています。Da Vinciの性能を100%引き出せているのではと思います。本当にこれは凄いです。

高音:本当に繊細で美しいです。「煌めき・クリア・共鳴・余韻」全てが素晴らしい。
中音:男女問わずボーカルの安定感が半端ないです。打楽器・弦楽器も素晴らしい。
低音:厚みがあり、濃厚で深い低音が出ます。切れとスピード感があります。
音場:音の広がりは、まるで小宇宙の様です。自然な立体感も感じます。
音圧:余裕の音圧です。ボリュームを絞っていてもシッカリと存在感があります。
解像度:DAPへの有線バランス接続時の解像度と比べても遜色ありません。



AFUL (アフー)Performer8(パフォーマーエイト)

        ・7BA+1DD高性能ハイブリッド構成
           8mmダイナミックドライバー、バイオロジカルダイアフラム搭載
           カスタマイズされた高性能バランスド・アーマチュア・ドライバー

         (低音用) 8mmダイナミックドライバー×1
         (低音用) BAドライバー×2
         (中音用) BAドライバー×2
         (高音用) BAドライバー×3

        ・インピーダンス: 30Ω 感度:115dB/mW
        ・周波数応答範囲: 5Hz-35,000Hz
        ・イヤーチップ:(AZLA(アズラ) SednaEarfit MAX)[ L ]
        ・バランスケーブル:TRN T2 Pro リケーブル 2Pin 2.5 3.5 4.4 mm 交換プラグ


AFUL (アフー)Performer8(パフォーマーエイト)は、Da Vinci(ダビンチ)を購入する以前に購入したイヤホンで、今でもよく利用するイヤホンです。実は見た目も音質も意外とDa Vinciに近いです。Da Vinciの音質は重低音~超高音域までバランスよく軽々と出します。

さて、Performer8の音質ですが、ドライバーの構成をみると低音~高音まで細分化され多ドライバー仕様です。周波数応答範囲は「 5Hz-35,000Hz」とハイレゾ要件は満たしてはいませんが低音~高音域までシッカリと再生します。音の出方としたは、重低音~中音域までがドッシリと安定しており、そこに自然な高音域が広がる感じです。非常にバランスが良く非常に聞きやすい音質です。この音質には「3Dプリント音響管構」「超長尺低周波音響管」「RLCネットワーク周波数分割補正技術」「高減衰空気圧バランス技術」なる技術も貢献していると思われます。また、Da Vinciにも同じような技術が使われています。

「Xperia 1 VI→(aptX Lossless)→BTR17+Performer8」がどんな音を出すのか聴いてみます。
これも良い!音の質感・インパクトはDa Vinciとよく似ていますが少し違います。重低音~中音域が分厚く高音域がファーと広がる感じです。Da Vinciは高音域もシッカリ主張しますが、Performer8の高音域はドッシリトした中低音域を華やかに飾りつけるようなチューニングです。個人的にはウッドベースやバスドラムの音や響きはDa VinciよりもPerformer8にハートを持っていかれます。

濃厚な存在感のある中音域を包み込むように唸る重低音、更に存在感のある美しい高音域が広がります。圧倒的な解像度の高さ、圧倒的な音の厚み・深み、洗練された音質はDa Vinciと比べても引けを取りません。表現は少し違いますが音の質としてはよく似ています。

高音:全てが繊細で美しい!Da Vinciに比べると若干抑え気味ですが、でも十分です。
中音:男女問わずボーカルの安定感が半端ないです。打楽器・弦楽器も素晴らしい。
低音:厚みがあり、濃厚で深い低音が出ます。柔らかく広がりのある低音です。
音場:音の広がりは、まるで小宇宙の様です。自然な立体感も感じます。
音圧:余裕の音圧です。ボリュームを絞っていてもシッカリと存在感があります。
解像度:DAPへの有線バランス接続時の解像度と比べても遜色ありません。



LETSHUOER(レットシュオワー) S08(エスゼロエイト)

        ・13mmカスタム平面駆動型ドライバー×1
        ・インピーダンス: 26Ω 感度:105dB@1kHz
        ・周波数応答範囲: 20Hz-40kHz
        ・イヤーチップ:(AZLA(アズラ) SednaEarfit MAX)[ ML ]
        ・バランスケーブル:TRN T2 Pro リケーブル 2Pin 2.5 3.5 4.4 mm 交換プラグ


LETSHUOER S08は次世代「平面駆動型ドライバー」搭載イヤホンです。
「二層ボイスコイル回路」「PTR弾性フィルムで低域の深さが大幅に向上」「マグネトロンスパッタリング高精度薄膜形成技術で振動板の剛性を向上、音の歪みを抑制」など数々の技術で、今までの「平面駆動型ドライバー」とは一線を画す低音域のしっかりしたイヤホンです。音場の広がり、中高音域の見通しは素晴らしく、平面駆動ドライバーらしい立ち上がりのよさと、余韻の伸びがあります。また、音の揺も全く感じず、非常に安定したレスポンスを感じます。「的確に・正確に音が出ている」というイメージでしょうか。

また、ビックリしたのは音の柔らかさです。平面駆動ドライバーは比較的固い音質だと思っていたのですが、S08は高音が耳に刺さることもなく全体的に非常に柔らかな音質です。長時間聴いても疲れません。また、全体的に癖を感じません。

BTR17を通して聴く世界はどうなるのか楽しみです。

これは意外と想像していた通りの音です。S08の特徴そのままに全体が底上げされます。すべての音が濃厚で厚みのある音質にアップグレードされました。本当に中高域の抜け感は気持ちよく、低音は更に図太くなりました。低音も中音も高音も、一斉に一気に立ち上がる快感は平面駆動型ドライバーならではです。更に、音は柔らかく、乾いており、音の一粒一粒が見通せるようです。btr17はやはり凄いです。LETSHUOER S08が更に良い音になりました。平面駆動にありがちな癖もなく、何時までも聴いていたい心地よい音です。

高音:美しく、繊細・クリア・共鳴もあります。素晴らしいです。
中音:中音域の解像度は非常に高いです。特に女性ボーカルが特に美しいです。
低音:厚みがあり、濃厚で深い低音が出ます。輪郭もシッカリしています。
音場:BTR17効果でしょう。左右への自然な音の広がりと少し立体感もあります。
音圧:もともとボリュームが取りにくいのですが、BTR17ではシッカリと音圧を感じます。
解像度:非常に高いです。低音~高音まで広い帯域で安定して高い解像度です。



JVC HA-FW1500

        ・11mm ウッドドームドライバー×1
        ・インピーダンス: 16 Ω 感度:105dB@1kHz
        ・周波数応答範囲: 6Hz ~ 52,000Hz
        ・イヤーチップ:(AZLA(アズラ) SednaEarfit MAX)[ ML ]
        ・バランスケーブル:onso 06 4.4(5極)-MMCX(L/R) バランスケーブル

6Hz ~ 52,000Hzと言う広い再生周波数帯域を誇る、世界的にも類を見ないWoodドライバーx1のシンプルなイヤホンです。意外とオールラウンドに良い音を出しますが、特にジャズやクラシックなどのアコースティックな演奏との相性は良いです。ただ、近年優れたイヤホンが多々出てきており最近では出番がめっきり少なくなっていました。「他のハイブリットに比べると音場が狭い」「Woodドライバーならではのウオーム感が逆に曇って切れの無い音に感じる」「高音域がもう少し欲しい」「EDM等を良く聴くのでもう少し抜け感や切れが欲しい」と言うのが主な理由でした

BTR17を通して聴く世界はどうなるのか楽しみです。

今回BTR17で聴くにあたり、BTR17と最も相性の合うものを探しました。JVC HA-FW1500は「onso」との相性が良いので「onso-04,onso-05,onso-06」の組み合わせを再考しました。今までのDAPとの組み合わせなら「低音も出て高音が良く走る」onso-05なのですが、BTR17で聴くと高音域が出過ぎて、更に低音がおかしいことになりビックリするほど音が悪くなりました。そして、今まであまり合わさなかったonso 06(高純度無酸素銅のみ)」にしてみると、より深い重低音と美しい高音・超高音域まで出るようになりました。今更ながらケーブルチューニングは奥が深いです。

「高い解像度・音圧のアップ・重低音・濃厚・抜けの良さ・美しい高音、ウーム感があり柔らかく、しかも切れがいい」シングルのダイナミックドライバー1基で、ここまで濃厚で聴きやすい重低音~超高音域が鳴るとは、今までで色々なプレイヤーで聴いてきましたが、BTR17との相性は抜群でシンプルに美しく濃厚な迫力のある音質だと感じます。何度も言いますが、この音質でワイヤレスなんですよねぇ~。

高音:美しく、繊細・クリア・共鳴もあります。素晴らしいです。
中音:解像度は非常に高く、ドラムス、ギターも男女問わずボーカルも濃厚です。
低音:厚みがあり、濃厚で深い低音が出ます。輪郭もシッカリしています。
音場:BTR17効果でしょう。左右への自然な音の広がりと少し立体感もあります。
音圧:ゆとりのあるはシッカリと音圧を感じます。アンプの良さを感じます。
解像度:しっかりとした解像度ですが、時代の流れでしょうか「Da Vinci」「Performer8」「S08」と比べてしまうと解像度は低いと感じてしまいます。

「JVC HA-FW1500」と、先に紹介した「LETSHUOER S08」は搭載するドライバーが「一基のみ」という共通点はあるのですが「ダイナミック型ドライバー」と「平面駆動型ドライバー」という決定的な違いがあります。音の出方も違います。
FW1500は比較的横方向に狭く奥行きのある音場の中で底のほうから色々なシットリとした音が湧き上がってくる感じです。S08は比較的横に広く若干浅い奥行きで色々な乾いた音が横一線上から一斉に立ち上がる感覚です。ここで、どちらの音が良いか白黒透けたいところですが、困ったことにどちらも良いのです。交互に聴くと、一瞬「あっ」と違和感を感じるのですが、どちらも秒で「いいわぁ~」となるのです。


◆お気に入りイヤホン①②③④まとめ

「Xperia 1 VI→(aptX Lossless)→BTR17+お気に入りイヤホン」のポイント
この4つのイヤホンは「よっぽどの事が無い限り手放さない!」と思うイヤホンです。今回BTR17との組み合わせにより更にその思いは強くなりました。最後にもう一度お気に入りのポイントを簡単にまとめておきます。


DUNU(ドゥヌ)Da Vinci(ダビンチ)

BTR17 と Da Vinci の相性:100点

お気に入りポイント:「切れのある低音~見通しの良い中音~煌めく高音まで」が段付きも無く、すべての音がシッカリと主張します。また、全体的に抜け感も素晴らしいです。この抜け感は高音域BAドライバーがノズルに近い位置にあるのと金属ノズルによる効果が大きいと思います。この全域をサラリと表現してしまう凄さがポイントです。低音好きにも高音好きにもOKです。


AFUL (アフー)Performer8(パフォーマーエイト)

BTR17 と Performer8 の相性:100点

お気に入りポイント:一見、DaVinciと似た音質および表現力なのですが、Performer8の神髄は「中音域を中心に高音域が飾り付け、重低音・低音が全体を包み込む」そんな世界観がポイントです。特に低音好きにはたまらな逸品です。高音域の抜け感、キラキラ感はDaVinciほどありません。ノズルは金属ではなく本体と一体の樹脂であることや、高音域BAドライバーの位置やチューニングがDaVinciとは違うからだと思います。


LETSHUOER(レットシュオワー) S08(エスゼロエイト)

BTR17 と S08 の相性:100点

お気に入りポイント:平面駆動型ドライバー搭載のイヤホンの中で初めて「手放さない」と思ったイヤホンです。平面駆動型ドライバーの特徴である、広い帯域から歪みの無い低音~高音が一気に立ち上がります。そして「基本低音などは期待できない」のが平面駆動型ドライバーの特徴です。しかし、こいつは違います。あたかもダイナミック型ドライバーのごとく低音がシッカリ出ます。柔らかく乾いた精密で美しい中高音域の下にしっかりとした低音が存在します。じっくり聴いても良し、BGM的に聴き流しても良し、そんな優しさもポイントです。


JVC HA-FW1500

BTR17 と HA-FW1500 の相性:100点

お気に入りポイント:Woodドライバーが奏でる、優しさ、シットリ感、安心感は他のイヤホンでは表現ができないと思います。特に心が揺れるような重低音とキラキラと抜ける高音域の両立にはビックリします。ドライバーは一基なので帯域に一切段付きは在りません。オールラウンドのイヤホンです。特にアコースティックな楽曲を聴くときにはやはりこいつですね!「ウッドベースの弦のビビりや、バスドラから出る空気圧まで感じることが出来そう」そんな感覚がポイントです



おまけ:Bose QuietComfort Ultra Headphones

Bluetoothコーデック:SBC / AAC / aptX Adaptive (48kHz / 24bit)
周りの音をすべて遮断する世界最高クラスのノイズキャンセリング。画期的なボーズイマーシブオーディオが臨場感のあるサウンドを再生するワイヤレスヘッドホン。

Bose(ボーズ)QuietComfort Ultra Headphones(クワイエットコンフォート ウルトラ ヘッドホン)はワイヤレスヘッドフォンですが、2.5㎜⇔3.5㎜ケーブルにも対応しています。音質が良くなるかどうかはあまり期待していませんが、とりあえずBTR17 と接続して使えるかどうか試してみます。

BTR17 と HA-FW1500 の相性:70点

接続をするとQuietComfort Ultra Headphones自体のBluetooth接続は切断されます。BTR17から音を供給されています。ボリュームの取り方が難しいですが基本ちゃんと鳴っています。音質ですが、若干解像度が上がった感じです。スッキリとした音質です。しかし、劇的かと言われるとそうでもありませんでした。
今後、この組み合わせで使うことはありませんが、次期QuietComfort Ultra HeadphonesのBluetoothコーデックがaptX Lossless対応となれば、相当の音質向上につながることは間違いないと確信しました。



■ノイズ・電波干渉はどうだったか

購入してから、今までホワイトノイズは「ほぼ」ありませんでした。電波干渉についても気になったこともありません。aptX Adaptive/Losslessは状況に応じてビットレートが可変する仕様ですが、今までピットレートの変化で音質が変わったと感じたこともありません。非常に安定しています。

Xperia 1 VIのBluetoothバージョンはVer 5.4です。BTR17もVer 5.4で同じです。ひょっとしたら同じバージョンなので安定しているのかもしれません。BTR17ほんとに良いです。



【高出力650mWを試してみる】

4.4mmバランス出力において、650mWの高出力を出すには「POWER IN端子からのUSB給電+(D.Mode)をON」の状態にする必要があります。

それで聴いてみます。
おっ(◎_◎;)ビックリです!爆音です。「USB給電なし+(D.Mode)をOFF」で聴いていたボリュームのままで650mwモードにすると危険です!まるでゲインが倍になった感じで爆音になります。気を取り直してボリュームをしっかり絞って再度プレイしてみます。じわじわボリュームを上げます。これは凄い、ドッシリ感・濃厚度・深みが本当に倍になります。感想としては、とにかく良いんですが、イヤホンであれば通常モードでも十分に凄いので、個人的には650mwモードは時々でいいかなと思いました。



【総括】

2024年の最後に素晴らしい商品を手にしました。
BTR7をお持ちの方は速攻BTR17 に買い換えて損は無いと思います。デザインよし、音よしとメリットしかなく、個人的に買い替えによるデメリットは見当たりません。。。
あっ!デメリットありました。ほんの数日前に買った「KA15」「BTR15」ですが、ちゃんとしたレビューを書く間もなく「出番が全く無くなった」と言うことです。(笑涙
資料:「 FIIO KA15 DAC:CS43198、アンプ:SGM8262」
資料:「 FIIO BTR15 DAC:ES9219MQ(アンプ統合型)」

BTR15とBTR7(現在はもうありません)

BTR15の魅力は小さいと言うことだけになってしまった。
正直、買わなければよかった・・・・。_| ̄|○


さて、今回BTR17 に搭載されている「DACチップ:ES9069Q」の音を聴くのは初めてです。ES9069Qのデジタル→アナログへの変換能力のすばらしさを感じました。とにかく細部にわたるまで繊細で美しく、ナチュラルで力強い、音の一粒一粒まで聴き取れる素晴らしい再現能力に感じました。昔私が聴いていたES***チップでは考えられないほどの表現だと感じました。

ES9069Qの変換再生表現力は魔物

また「アンプ回路:THX AAA 78+」に関しても「旧機種のBRT7の音は何だったのか?」と思うほど味があり感動を与えてくれるアンプでした。BTR17 はどんなイヤホンであろうとその性能を100%引き出せる、現在考えられる最高の音質を提供してくれる「Bluetooth ヘッドホンアンプ レシーバー」だと思います。この性能を考えれば、非常にコストパフォーマンスが高い商品だと思います。

aptX Losslessに対応
こいつが無いと何も始まらない

しかし「Xperia 1 VI→(aptX Lossless)→BTR17+バランス対応イヤホン」の限りなく有線接続に近い音質をワイヤレスの環境で堪能してしまうと、もう完全ワイヤレスイヤホンには戻れなくなります。
確かに、完全ワイヤレスイヤホンのケーブルが全くない、その解放感はケーブル有イヤホンに勝っているところです。私はBTR17を首から下げたり、胸ポケットに入れて持ち歩きます。そうすればケーブルも邪魔に感じません。何よりイヤホンが耳から外れても安心です。私は過去に完全ワイヤレスイヤホンの片方をトイレに落としたことがあります。しかし、ケーブル付きイヤホンであればそういった事故も限りなく減ります。また、スマートフォンがイヤホンケーブルから解放される利便性は同じなのです。


BTR17のおかげで、有線イヤホンに回帰です!
完全ワイヤレスイヤホンには当分戻れません(笑

(訃報)

BTR17 を購入した結果、所有していた「FiiO BTR7」「HIDIZS AP80 Pro」「HIDIZS AP80Pro CP Limited Edition」「HIDIZS AP80Pro Rose Gold.」「HIDIZS AP80 Pro Titanium Alloy」「SHANLING M6 Ver.21」「HiBy R8SS」を一気に手放しました。ビックリしたのは「AP80Pro CP Limited Edition」「AP80 Pro Titanium Alloy」は結構いい値段で買い取って頂きました。流通している数が少なかったのか?貴重なレアメタルだから?でしょうか。DAP今までありがとう;)



※内容はあくまでも個人的な考えですのでご了承ください。お手持ちのスマートフォン・イヤホン・ケーブル・イヤーチップなど、その他諸々の環境によっても音質は変わってきますので、参考程度にお読みいただければ幸いです。