2020年9月22日火曜日

(2020年9月版)5本のお気に入りイヤホンと相性の良かったバランスケーブルをご紹介します。


2020年8月に手持ちの5本のイヤホンとバランスケーブルのお気に入りの組み合わせを行いましたが、9月に入りどうも気に入らなくなり再考しました。

評価環境
・デジタルオーディオプレイヤー「Fiio M15
・ケーブルは2.5㎜又は4.4㎜のバランスケーブル
・イヤーチップは全てコンプライ(耳垢フィルター付き)


Fiio(フィーオ) FiiO FH7KBX4904
FiiO FH7は逆カマボコ状で、低音域と高音域がとても力強い音圧で迫ってきます。音質はどちらかと言うと少しソリッドに感じる事もあります。繊細で優しいAKG N5005に比べるとスピード感とエッジの効いた弾ける様な音が魅力です。ダイナミックドライバーのサイズは5台中もっとも大きく、重低音も文句ありません。また、超高音域もBAドライバーでカバーします。しかし、ボリュームを上げると高音域が耳に刺さることもあり、大きな音で長時間聴くと疲れる事もあります。

今回のKBX4904は実は生まれて初の「純銀」ケーケーブルなのです。「純銀」は空間の広がりや高音域のキラメキがUPする反面、低音域が出なくなる認識です。FiiO FH7の暴力的な重低音から高音域に、この「純銀」をぶつけるのは冒険でもありました。
KBX4904 mmcx 純銀(99.99%)純度4芯バランスケーブル

繊細に煌めきながら音空間がひろがしました。高音域の美しさは素晴らしいです。破壊力のある重低音~低音域は音圧も丁度良く、深く美しいです。KBX4904に変えることにより「激しい圧のある音」から「存在感のある美しい音」へ変わりました。タッチノイズもなくボリュームを上げ過ぎた時の耳の刺さりも無くなりました。正直FH7が化けました。AKG N5005の繊細で美しい音に、シッカリとした重低音域~超高音域の存在感をプラスしたような音質です。何時までも聴いていたい音です。この傾向はプレイヤーを変えても同じで、とても使いやすい組み合わせです。MMCXのコネクタ部もコンパクトでFH7の耳へのおさまりもかなり良い感じです。また、このKBX4904(純銀)を他のイヤホンに接続したところ、高音域は綺麗ですが、もれなく低音域が弱まり、個人的には全然使えない状態でした。



AKG(アーカーゲー)N5005 + onso iect_04
AKG N5005はカマボコ状で、原音を大切に、全ての音が美しく繊細に表現されます。音場も広く、音の余韻の伸びが最後まで聴こえるようです。低音域は比較的マイルドで、中音域は繊細にシッカリと、高音域はキラキラしています。また、音の抜けも良く、鼓膜にかかる圧が優しい感じがします。

onso iect_04ケーブルにより、透明感があり、解像度も上がり、音の見通しは更に良くなり、無理なく低音域と高音域が広がります。良質の銅と銀を使っている気がします。N5005の特性を自然な形でアップグレードしてくれます。癖のない良いケーブルです。タッチノイズはありませんが時々ケーブルが耳から外れます。



AKG(アーカーゲー)N40YYX4887
AKG N40はダイナミックドライバーが低音域BAドライバーが中高音域を受け持っています。全体的に雑味がなく素直で澄んだ音を出してくれます。特にバランスド・アーマチュア・ドライバーとダイナミック・ドライバーを、アコースティックにチューニングし、段付きのないバランスの良い音に仕上げている事に感動をしてしまいました。
FiiO FH7や AKG N5005を聞いた後では、何とも簡素なシンプルな音に聞こえます。ドライバーの数も2基しかありませんし、ダイナミックドライバーのサイズも8mmと最も小さなサイズです。なので、重低音までは望めませんし、少し物足りない気もします。しかし、30秒もするとこのシンプルな音質がとても心地よくなるのです。適度な低音域と、他の音に埋もれない高音域のキラキラ感はとても心地よいのです。手放せない不思議なイヤホンなのです。

高音域のキラキラ感を消さずに低音域を少し上げたくて、単結晶銅7N(99.99998%)8芯のYYX4887を購入しました。初めて聴いたとき「これは本当に銅なの?」と思うくらい高音域が良く出て、低音域がイマイチなのです。エージング時間を経て、少し低音域も出てきました。そして、クリア感のある音場と、解像度の高い高音域になりました。ただ、正直予想したような低音域ではありません。タッチノイズもなく、全体的な音質と高音域の美しさはN40の魅力を最大限に出しているとも思います。ダイナミックドライバーが8㎜しかないN40の低音域の限界なのかなぁ~。
あと、チョット気になるのは、「単結晶銅ケーブル」と言う割にカッパー色ではありません。このケーブルには銀メッキは使われていないようですが、ケーブルは銀色です。綺麗な高音域を出す、この物質は何なんでしょうか?銀メッキではなく銀紙?





JVC HA-FW1500 + HiF4834
音のスピード感・切れ感・音の深み・際立つ美しい高音域と程よい重低音、アコースティックでも電子楽器でも楽器を選ばないオールラウンドなイヤホンだと感じます。ダイナミックドライバー1基でよくもここまで広い帯域をきっちりカバーできていると感じます。
WOODシリーズとは思えないレスポンスの良さは楽曲のジャンルも選びません。周波数帯域幅の広さは5本中ピカイチです。また、他の4本はどちらかと言うとクールな音を出しますが、HA-FW1500はウォームな音質です。ただ、少し音場は狭く中音域の見通しが悪く感じます。

単結晶銅7N(99.99998%)8芯のHiF4834を接続します。高い解像度、輪郭のクッキリした重低音から低音域、純銅のみなのに高音域も写すしいです。このケーブルは意外と万能で曇りの無い良い音を提供してくれます。柔らかく取り回しも良く、タッチノイズもありません。良いケーブルです。ただ、少し弱々しいケーブルなので、予備にもう一本買いました。




RHA CL2 Planar + NICEHCK BLOCC
音の立ち上がりのレスポンスの速さ、見通せない音が無いくらいの解像度、音圧の高さ、モニターにもリスニングにも使えそうな正確な音質、美しい高音域、スッキリと沢山の音が出ているのに絶対見失わない美しいボーカルやコーラス。低音域より高音域よりの周波数帯域のせいか、平面駆動という特性のせいか、音質はソリッドで時々金属音に感じる時があいます。音の雰囲気としてはFH7に少し似ている気もします。音場はあまり広くなくボーカルはとても近く感じます。今まで経験したことのないCL2の音質はダイナミック型でもBA型でもハイブリット型でもない第4の選択肢と言うだと感じました。インピータンスが小さいのでどんなプレイヤーでもシッカリと鳴ります。

銀メッキ単結晶銅 UPOCC 5N(純度99.999%)のNICEHCK BLOCCを装着します。シッカリとした輪郭と高い解像度、低音域~中音域~高音域まで一線上に並んだような音を出す平面駆動ドライバーの特性はそのままですが、金属音的な音質の感覚はありません。特にスーッと伸びてゆく高音域のストリングスの美しさが特徴的です。女性ボーカルも美しいです。


【Five Earphone スペック比較】

製品名 FiiO FH7 AKG N5005 AKG N40 JVC HA-FW1500 RHA CL2 Planar
一言個性 クールな全域
激ドンシャリ
カマボコ
繊細貴公子
美しき
高音空間
癒しの
重低音
フラット
ソリッド
タイプ ハイブリッド型(カナル) ハイブリッド型(カナル) ハイブリッド型(カナル) ダイナミック型(カナル) 平面駆動型(カナル)
カラー ブラック ブラック クローム ブラック ブラック
ユニット BA型×4、13.6mmダイナミック型×1 BA型×4、9.2mmダイナミック型×1 BA型×1、8mmダイナミック型×1 11mmダイナミック型×1 10mmダイナミック型×1
周波数特性 5Hz ~ 40kHz 10Hz ~ 40kHz 10Hz ~ 40kHz 6Hz ~ 52kHz 16Hz ~ 45kHz
感度 111dB/mW 99dB/mW 109dB/mW 103dB/mW 89dB/mW
インピーダンス 16Ω 18Ω 20Ω 16Ω 15Ω
コネクタ MMCX MMCX MMCX MMCX MMCX
重量
(ケーブル含まず)
8.15g 11.4g 22g 15g 9g
参考通販価格
¥66,444
(税抜)
¥99,880
(税抜)
¥39,880
(税抜)
¥59,800
(税抜)
¥57,000
(税抜)

ケーブル KBX4904 onso
iect_04
YYX4887 HiF4834 NICEHCK BLOCC
ケーブル素材 純銀
4芯
純度99.99%
純度99.9999%以上の6N銅と、銀メッキされた銅純度99.99%以上のPCUHD、HiFC、OFCの3種の4N銅 7N単結晶銅8芯
純度
99.99998%
7N単結晶銅16芯
純度
不明?
銀メッキ単結晶銅 UPOCC 5N純度99.999%




【評価に使った主な曲
お洒落なミュージック」に集めているような曲を主に聴いて評価しました。下記はその一部です。

Fourplay - WISH YOU WERE HERE
フォープレイは、ピアニストのボブ・ジェームス、ギタリストのリー・リトナー、ベーシスト兼ボーカルのネイザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソンの4人により1990年に結成された、スムーズジャズ、フュージョンのグループ。
何時聴いても時代を感じさせない美しいサウンド。各パートの楽器の囁くような音まで聴きとれるかどうかがポイント。
 


Massive Attack - The Spoils ft. Hope Sandoval
マッシヴ・アタックは、イギリス・ブリストル出身の音楽ユニット。
全体的に暗く重く気だるい浮遊感のある音楽が特徴。基礎にはJazz・ロック・ソウル・などの様々なサウンドがミックスされている。この曲はストリングスにより美しくもダークなバラード、切ないメロディーと歌声に引き込まれていく。
 


Black Pumas - Colors
Black Pumasはアメリカのソウルバンド。
ブラック・ピューマズは、シンガーのエリックバートンとギタリストのエイドリアンケサダが率いるアメリカのソウルバンド。いきなりエッジの効いたカッコいいアコースティックギターソロから始まる。そして切なくもハートにグッとくるボーカル。どこか懐かしい気持ちになります。
 


The Weeknd ft. Daft Punk - I Feel It Coming
ザ・ウィークエンドはカナダ出身のR&Bシンガー
 I Feel It Comingが収録されたアルバムにはダフトパンクが参加しており兎に角カッコいい!少し音のこもった感じからフェードインしてゆき、スーッと霧が晴れた様にキレキレもサウンドになっていく。演奏も声も素晴らしいです。特にベースランニングがカッコよく再生できるかどうかがポイントです。
 


Ariana Grande ft. The Weeknd - Love Me Harder
アリアナ・グランデはアメリカ出身のポップス・R&Bシンガー
こちらはアリアナ・グランデの作品にザ・ウィークエンドが参加した曲です。個人的にアリアナ・グランデの楽曲の中では最も好きな歌です。二人とも歌唱力が凄いので何度聴いてもカッコいいです。終盤にアリアナがハイトーンでハモリ、一か所アリアナが「イェイ」叫ぶところがあるのですが、この辺りがカッコよく聴きとれるかどうかがポイントです。
 


London Grammar - Non Believer
ロンドン・グラマーはイギリスのインディーポップバンド
9小節目あたりから重低音のベースが走る。切れの良いドラムスと重低音のベースがきちんと聴こえるかがポイント。ボーカルは良い声をしている。
 


AURORA - Exist For Love
オーロラはノルウェー出身の歌手
静かなバラード、演奏もシンプル。ボーカルがきちんと聴き取れ、音楽に没頭でき感動できるかどうかがポイント。自分で曲も作る個性的なアーティスト。
 


iri -「Sparkle」
イリは日本のシンガーソングライター
色々なジャンルをうまく絡めた音楽だと思う。ポップで切れの良いサウンドはカッコいい。SONYとコラボした良い曲。
 


Crowded House - Don't Dream It's Over
クラウデッド・ハウスはオーストラリアのロックバンド
Don't Dream It's Overは1993年の古い楽曲。大好きな楽曲なので良い音で聴きたい。当時の演奏の音がどこまで聴こえるかがポイント。この曲は色々なアーティストにカバーもされている。
  


Sixpence None The Richer - Don’t Dream It’s Over
シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーはアメリカのロックバンド
クラウデッド・ハウスのDon't Dream It's Overをシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーがカバーしている。ボーカルが変わるとかなり癒される。
 


Coldplay - Adventure Of A Lifetime (Official Video)
コールドプレイは、イギリスで結成されたロックバンド
ロックの王道バンド。特にこの楽曲は、私の中でNo1サウンド。各パートがどこまで聴きとれるかどうかがポイント。お猿さんも踊るカッコよさ!
 





【その他のお気に入りDAPとの組み合わせ表
現在、よく使うお気に入りのデジタルオーディオプレイヤーは3機種あります。
Fiio M15」「HiBy R6 Pro」「HIDIZS AP80ProCP」です。簡単に表によく使う組み合わせをまとめてみました。

Fiio M15:アルミ筐体でアンプが良い優等生音質。リファレンスDAPかな。
HiBy R6 Pro:ステンレススチール筐体のクリアで煌めく音質は素晴らしい。
HIDIZS AP80ProCP:コンパクト低価格ながら銅ボディー、良い音持ち歩き用。
 ※DAPの説明はそれぞれの紹介ページをご覧ください


Five Earphone x DAP 組み合わせ表
①~⑤よく使う組み合わせ順位
製品名 FiiO FH7 AKG N5005 AKG N40 JVC HA-FW1500 RHA CL2 Planar
インピーダンス 16Ω 18Ω 20Ω 16Ω 15Ω

Fiio M15

HiBy R6 Pro

HIDIZS AP80ProCP

■Fiio M15は最も高額なDAPです。どんなイヤホンでもヘッドホンでもならせる事ができます。優等生な音質です。今までのアルミ筐体DAPの中では一番音が良いです。
■HiBy R6 Proの音は秀逸です。どんな楽曲でも、迫力・切れ・空間の広さ・抜け感・音の伸び・ソリッド感など、どんなイヤホンでも聴きごたえのある美しい音になります。ステンレススチールの音は癖になります。実は個人的には一番好きなDAPなのです。
■HIDIZS AP80ProCPは上2機種に比べると、迫力・音の深さ・切れ・繊細さには負けます。しかし、コストパフォーマンスはピカイチ!この価格でこの音質は素晴らしいです。どんなイヤホンでもそれなりに良い音で鳴らします。また、出歩くときにこのコンパクトさは武器になります。





【総括】
イヤホンと相性の良いバランスケーブルを見つける事が出来れば大抵の場合音質はアップグレードできます。しかし、粗悪な商品を買うと銭捨てになりかねません。良いケーブルを買いましょう!お店で試して購入するのが一番ですが、下記に、ネットで購入する時の個人的な心得を書きます。ご参考までに。

①あまり安物は買わない(個人的には8000円以下は買わない)
 ※しかし、安価な中華ケーブルの品質・音質が近年かなり良い
②レビュー評価をシッカリ読む(統計的に良い評価が多ければ〇)
③純度の高い銅素材のケーブルを検討(銅は低音域が良く出る)
④高音も欲しけれが純度の高い銅素材に純度の高い銀被膜を検討
⑤重低音~超高音域まで爆音なイヤホンには純銀ケーブルも検討
⑥Amazon本体、またはメジャーな出展者から買う

 ありがちなリスク
 ・出展者(お店)情報はよく見る(いい店を選ばないとトラブルの元)
 ・在庫有でも、納期をよく見る(長いものは海外から出荷の恐れ有り)
 ・タッチノイズが酷い
 ・MMCXコネクタがイヤホンとの相性が悪い
 ・接触が悪い。
 ・ノイズを良く拾う
 ・あまりにも音が悪い

もし、商品に異常があれば速攻でAmazon様や出展者に不良交換または不良返品を依頼しましょう!経験上Amazon様の対応は安心です。

※すべての掲載内容はあくまでも個人的に感じている事柄です。ご了承ください。