2021年3月8日月曜日

HIDIZS(ハイディズ)AP80 Proの原点!小さくて安いけど侮れないアルミニュウムボディーのDAPです。CP/Rose Gold/Titanium Alloy Limited Editionも合わせてレビュー評価してみました。

 

HIDIZS AP80 Pro

今更ですが、HIDIZSのAP80Pro(アルミ筐体ベースマシン)を購入しました。
現在までに、AP80Pro CP Limited Edition(世界限定500台:純銅筐体)、AP80Pro Rose Gold Stainless Steel Limited Collector's Edition(世界限定688台:316Lステンレス筐体)、AP80 Pro Titanium Alloy Limited Edition(世界限定399台:チタン合金筐体)の限定版3機種を所有しています。しかし、「やっぱり、ここまで来ると標準品も要るだろう」と思いAP80Proを購入しました(笑。

★AmazonHidizs ストア


■AP80Proの主な特徴
・ESS社製DAC「ES9218P」をデュアルで搭載
・2.5mmバランス出力端子を搭載
・専用システム「HiBy OS」の最新版Hiby 3.0 OSを搭載
・好みのサウンドにカスタマイズできるMage Sound 8-Ball Tuning(MSEB)
・HiBy社製の専用FPGAチップ「HBC3000」搭載
・Bluetooth4.2
・aptX、LDACコーデックに加え、オリジナルのHiByUAT(192kHz、1.2Mbps)を利用可
・「HiBy Link」を使用してスマートホンからAP80Proをリモート操作可
・FMラジオ機能搭載
・2.45インチのタッチスクリーン搭載
・ボリュームには日本のALPS社製ボリュームを採用
・最大11時間の駆動時間(バッテリー容量850mA)
・Micro-SDカードスロットを搭載

■AP80Proの主な仕様
・CPU:Ingenic X1000
・DAC:ES9218Pデュアル
・FPGA:HBC3000
・ハウジング:アルミニウム合金
・ディスプレイ:Samsung 社製2.45インチフルタッチスクリーン
・オペレーティングシステム:HiBy OS 3.0
・ボタン:サイドボタン
・ボリューム:日本ALPS社製ボリュームノブ
・Bluetooth:V4.2
・コーデック:aptX、LDAC、HiBy UAT
・インターフェイス:USB TypeC(USB2.0 /データ転送)
・電源アダプター:DC5V 2A
・電池:800mAh 3.7V リチウムポリマーバッテリー
・充電時間:約1時間
・使用可能時間:フォンアウト8~11時間
・出力:3.5mmステレオミニ、2.5mmバランス
・イコライザー:10バンドEQ(±12dB)、8 エフェクト+カスタムエフェクト
・マイクロSDカード最大サイズ:512GB
・ファームウェアのアップグレード:SDカード(FAT32システムのみ)
・質量:68g
・ロスレス形式のサポート:DSD64/128/256(".dsf", ".dff")、PCM384kHz/32bit(MAX)、FLAC、APE、WMA、WAV、ALAC
3.5 ステレオ出力 出力電力:70mW+70mW@32Ω
2.5 バランス出力 出力電力:190mW+190mW@32Ω

※詳しい仕様はメーカーホームページをご覧ください。



■開封
これが標準品の箱です。最初、黒かグレーで悩んだのですが、今回はブルーにしました。カッティングによる影の演出や仕上げの良さに技術の高さを感じます。音よし!価格よし!デザインよし!品質よし!と非常にコストパフォーマンスの高さを感じます。









■メモリ
キングストンの microSD カード 128GBを購入しました。パソコンでフォーマット(exFAT)しAP80Proにセットしました。問題なく使えています。



■ポートのカバー・キャップ
最近はTypeCのコネクタや、一切使用しない3.5㎜のイヤホンジャックにキャップをするのが趣味です。(笑

2セットに適用する FiiO M15S M11S M11 Plus LTD / M15 / M11 Pro / M9 に適用するShanling M8 / M6 / M6 Pro M5S に適用する iRiver に適用する iBasso MP3 DAP ポータブル HiFi プレーヤー ダスト プラグ 4.4MM 3.5MM 2.5MM Type C ジャック(2個入り)



■操作性
操作性はAP80Pro CPをご覧ください


■音を聴いてみる
色々なイヤホンで聴いてみます。
・AP80Proの音質設定は全てデフォルトです。
・音源は全てFLACです。
・新品のDAPの場合、エージングは最低でも200時間はした方が良いと思います。


【楽曲】
YouTubeの「お洒落なミュージック」に集めているような曲を主に聴いて評価しました。


【イヤホン:AKG N30】

・イヤホンはAKG N30を使用します。
N30は私の手持ちのイヤホンの中では一番癖がありません。いい意味で普通です。低音域・中音域・高音域を非常にいいバランスで出してくれます。
(高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×1
(中低域用)8mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:20Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:32Ω 感度:86dB/mW ボリューム:45) 
・バランスケーブル:AKG CN120-2.5 イヤホンケーブル 2.5mm
4極/高純度6N-OFC導体/バランス ダークグレー AC-2.5M4-MMCX-1.2M
※実はN30で使える2.5㎜のバランスケーブルはこの純正品しかありません。
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
音場は狭くも広くもないちょうどいい感じです。クールな余韻が適度に広がります。比較的演奏は中央に寄り気味です、各楽器音はシッカリと聴き取れます。ボーカルは中心で少し前に聴こえます。奥行きはあまりありありません。

【音圧】
シッカリとした程よい音圧です。N30はインピータンス高め、感度低め、と音量が少し取りにくいのですが生き生きと鳴っています。相性はいいです。

【音質】
アルミらしい軽くクールな音質です。ノイズは無く、解像度は高いシッカリとした音、クリア感は素晴らしいです。AP80Proシリーズのベースマシンらしい基本性能の高さを感じます。アコースティック~EDMまでジャンルを選びません。もう少し音の輪郭や低音域の切れは欲しいところですが、とにかく低音域~高音域までキッチリと出ます。この価格帯ではやはり驚異的でしょう!私がAmazon様で買ったときはキャンペーンで約18000でしたから!コストパフォーマンスは高いです。

【相性】 ★★★★


【イヤホン:AKG N40】

・イヤホンはAKG N40を使用します。
ダイナミック型で低音域、BA型1基で中音域~高音域を受け持ちます。N30は低音・中音が気持ちいいですが、N40は中音域が少ない分、深い低音と煌めく高音域が特徴です。
(高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×1
(中低域用)8mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:10Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:20Ω 感度:109dB/mW ボリューム:55) 
・バランスケーブル:onso04
4.4mm/5極/6N+銀メッキ4Nハイブリッド/iect_04_bl4m_120
音場は程よく広く全体の音の芯が中央に集まり更に奥行きが出ています。
※4.4㎜のバランスケーブルなので2.5㎜変換が必要
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
音場は少し広めです。比較的演奏は左右にしっかり広がっています。ボーカルは中心に位置し高音域の伸びがとても綺麗です。

【音圧】
N40は音量が取りにくいので一歩踏み込んだボリューム調整が要ります。ボリュームが決まるとシッカリとした音圧が出ます。相性はいいです。

【音質】
N40の特徴である高音域のキラキラ感がシッカリ表現できています。ただ低音域が思ったほど出ません。全体的に綺麗な音です。ドンシャリ間を味わうならN30の方が使いやすいかもしれません。

【相性】 ★★★


【イヤホン:AKG N5005】

・イヤホンはAKG N5005を使用します。
ダイナミック型で低音域、BA型4基で中音域~高音域を細分化する。帯域幅はハイレゾに対応するお手本の様な幅です。筐体はセラミック素材で、音場は広く、繊細でどこまでも澄んだ美しいサウンドを聴かせてくれます。ドンシャリタイプではなくカマボコタイプで、モニターとしてもリスニングとしても使えるとてもバランスのいいイヤホンです。
(中高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×4
(中低域用)9.2mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:10Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:18Ω 感度:99dB/mW ボリューム:50) 
・バランスケーブル:onso06
4.4mm/5極/高純度無酸素銅/iect_06_bl4m_120
音圧を上げ低音域を中心に濃厚な音になります。高音域はクールにスーッと伸びる音になります。
※4.4㎜のバランスケーブルなので2.5㎜変換が必要
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
音場は狭くも広くもない感じです。全体的に音が少し中央に集まり気味です。ボーカルは中心で少し前に聴こえます。奥行きはあまりありありません。

【音圧】
音圧は程よくあります。低音もシッカリ出ています。

【音質】
低音・中音・高音、シッカリと出ていますが、中音域の見通しがもう少しです。解像度は非常に高いですが、N5005の能力をフルに発揮できていません。
【相性】 ★★★★



【イヤホン:JVC HA-FW1500】

・イヤホンはJVC HA-FW1500を使用します。
口径11mm ウッドドームドライバーユニットx1で繊細にして迫力のサウンドを聴かせてくれます。周波数帯域は低音域から高音域までダントツの広さ。豊かな重低音と煌めく高音が魅力の心を揺さぶるリスニングイヤホンです。
(全域)11mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:6Hz ~ 52kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:103dB/mW ボリューム:47) 
・バランスケーブル:onso05
5極/PCOCC+銀メッキ4N-OFCハイブリッド/iect_05_bl4m_120
※4.4㎜のバランスケーブルなので2.5㎜変換が必要
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。

【音場】
比較的音場の狭い音場HA-FW1500ですが、少し広がりを感じます。各楽器は比較的中央に固まりますが狭苦しくはありません。ボーカルはシッカリと中心に位置しており、一歩前に出た来る感じです。

【音圧】
インピータンスも低く、感度が良いのでシッカリとあります。

【音質】
ドーンとくる重低音が素晴らしいです。超高音域もシッカリ出ています。しかし、中音域の見通しが悪いです。重低音や低音域に埋もれた感じがします。しかし、ボーカルはシッカリと聴きとれます。

【相性】 ★★★★


【イヤホン:RHA CL2 Planar(平面駆動型)】

・イヤホンはRHA CL2 Planarを使用します。
コンパクトな10mm平面磁気ドライバーが採用されています。低音域の周波数帯域はあまり広くなく、低音よりも高音寄りの帯域です。平面磁気ドライバーですが、もはや構造を想像できない世界です。ハウジングには非常に硬い二酸化ジルコニウムを使用しています。
(全域)10mm径平面磁気ドライバー×1
(再生周波数帯域:16Hz ~ 45kHz) 
(インピータンス:15Ω 感度:89dB/mW ボリューム:48) 
・バランスケーブル:onso05
5極/PCOCC+銀メッキ4N-OFCハイブリッド/iect_05_bl4m_120
※4.4㎜のバランスケーブルなので2.5㎜変換が必要
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。

【音場】
音場はあまり広くありません。音全体が少し奥の下辺りに位置する感じです。音の輪郭が少し曖昧で見通しがよくありませんボーカルは良く聴こえます。

【音圧】
程よい音圧ですが、あまり迫力はありません。ボリューム少し上げ気味になります。

【音質】
全体的に少しこもった音です。以外に迫力に欠けます。解像度は高そうですが、全て表現できていない気がします。CL2の性能をフルに発揮できていません。

【相性】 ★★★


【イヤホン:RHA T20 Wireless】

・イヤホンはRHA T20 Wirelessを使用します。
DualCoil(デュアルコイル)と言う特殊な技術を使っています。ドライバーの材質やサイズは不明です。しかし、一つのドライバーで「高解像度」「硬質・ソリッド感」「スピード感」「クリア感」「重低音」「超高音」を実現しています。ハウジングはステンレススティールで高音域が兎に角美しい。
(全域)1DualCoilダイナミック×1
(再生周波数帯域:16Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:90dB/mW ボリューム:41) 
・バランスケーブル:onso06
4.4mm/5極/高純度無酸素銅/iect_06_bl4m_120
音圧を上げ低音域を中心に濃厚な音になります。高音域はクールにスーッと伸びる音になります。
※4.4㎜のバランスケーブルなので2.5㎜変換が必要
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。

【音場】
音場と奥行きは程よくあります。演奏とボーカルの位置比較的近いです。ボーカルはもう一歩前に出ても良い。

【音圧】
音圧はかなりあります。ボリュームはいきなり上げないように。

【音質】
繊細でクリアな高音、パンチのあるドラムス。低音は程よく出ています。全体的に硬質ですが耳に刺さることもありません。音の輪郭やメリハリもあり解像度は高く美しい音です。しかし、RHA T20 WirelessはどんなDAPでも相性が良いです。

【相性】 ★★★★★


【イヤホン:FiiO FH7】

・イヤホンはFiiO FH7を使用します。
チタンに比べて、音伝導性や硬さが約2.5倍、比重も軽いという特性のベリリウムコーティング・ダイナミックドライバーをx1,しかも13.6㎜と言う巨大なサイズ、そして更にBA型ドライバーを4基搭載しています。それはもう美しい爆音です。
(中高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×4
(低域用)13.6mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:5Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:99dB/mW ボリューム:41) 
・バランスケーブル:KBX4913
2.5mm/4極/純度99.99%純銀 ケーブル8芯
銅線を持ってくると物凄いことになるので純銀ケーブルでクールダウン。結果最高に美しい音になります。
・イヤーチップはコンプライTsx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
程よい音場です。ボーカルは中央でシッカリと聴きとれます。全体的に音が中央寄りに固まっています。

【音圧】
濃厚な音圧です。純銀のバランスケーブルを入れているので良い感じになってます。音圧は程よくあり、全体の音の厚みが豊かです。ボリュームは比較的取りやすく相性はいいです。

【音質】
重低音~低音・中音・高音・超高音がバランスよく全て聴こえてきます。流石FH7です、どんなDAPでもワンランク上の音質にしてくれます。ただ少し13.6㎜の巨大なダイナミックドライバーに他の音が少し埋もれている気がします。AP80 Pro アルミはよく検討しています。

【相性】 ★★★★



ヘッドホンFOSTEX(フォステクス) TH610

・最後はヘッドホンFOSTEX(フォステクス) TH610で聴いてみます。
黒胡桃無垢削り出し材を採用したハウジング、磁束密度1テスラの50mm ドライバー・ユニット、バイオダイナ振動板の共演による、艶やかで自然な響きを紡ぎ出すハイクオリティモデル。
(全域)50mm径ダイナミック・ドライバー磁束密度1T(テスラ)×1
(再生周波数帯域:5Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:25Ω 感度:98dB/mW ボリューム:55) 
・バランスケーブル:ET-H3.0N7BL
 
【音場】
イヤホンからヘッドホンに変えると一気に音場は広がります。ミニホールのような感覚で各楽器やボーカルの位置が立体的です。やっぱりこの辺りは壮大でイヤホンとの違いが歴然と出ます。

【音圧】
ヘッドホンは耳の外から音圧が来るのでイヤホンよりはマイルドです。しかし、1T(テスラ)の磁気回路と大きなダイナミックドライバーから来る野太い音圧には感動ます。しかし、AP80 Proはこんなに小さいのに、よくもこの大きなドライバーを鳴らせる物だと感心します。

【音質】
TH610は本来黒胡桃のハウジングにより比較的シットリトした音質ですが、AP80 Proのクールな音と合わさり、非常に美しい音になります。そして、豊かな太くて深い重低音~繊細な超高音まで気持ちよく出ます。また、少しボリュームを上げてもキンキンと耳に刺さることも無く、音楽に没頭できます。全体的に少し見通しが悪い感じもしますが、イヤホンとは土俵の違うTH610を鳴らしきるAP80 Pro の性能は凄いと思います。

【相性】 ★★★★


シリーズを比べてみました

■外見を比べてみました
HIDIZS AP80Proの外見を比べてみました。
ブルーのアルミニュウム筐体以外は全て限定商品です。
何れも、デザイン・質感・色・音質・価格も含めてクオリティーが高いです。
Aluminium / Titanium
Copper / Stainless Steel

モデルによって背面のデザインも一工夫

操作系は全て一緒

本来ならベースマシンのアルミから買うべきなのでしょうが、購入の順番は下記の様になりました。銅から始まってアルミで終わりました。
④Aluminium ③Titanium ②Stainless Steel ①Copper



■素材を比べてみました
私は専門家でも科学者でもないのでハッキリとした事は言えませんが、DAPの音色はボディー筐体の素材によって変化します。では、その変化は各金属のどんな特性によっておこるのでしょうか?私なりに金属の素材の違いを調べてみました。


Ⅰ.DAP本体を重量(重い順)に並べてみました
①AP80Pro 銅:116g
②AP80Pro 鉄:109g
③AP80Pro チタン合金:87g
④AP80Pro アルミニウム:68g

Ⅱ.純金属の密度と比重(密度高い順)に並べてみました
物質 密度[kg/m3] 比重
①銅   Cu 8880 8.880
②鉄     Fe 7870 7.870
③チタン      Ti 4506 4.506
④アルミニウム Al 2688 2.688

Ⅰ・Ⅱ DAP本体と純金属の重さの順位は同じです。これから見てもAP80Proの重さは、筐体素材の重さの違いと言う事が分かります。

Ⅲ.純金属の硬さ(硬い順)に並べてみました
ダイヤモンド 10(参考)
①チタン     9
②鉄         5~8.5
③銅         2.5~3
④アルミニウム 2~2.9

Ⅳ.ボディ筐体の重さと硬さの関係
・AP80Pro 銅(Copper)   最も重く柔らかい
・AP80Pro 鉄(Stainless Steel)   重く硬い
・AP80Pro チタン合金(Titanium)  軽く最も硬い
・AP80Pro アルミニウム(Aluminium)   最も軽く最も柔らかい

これから見ると、ボディー筐体素材の 重さ と 硬さ 違いが、DAPの音の違いに結びついていると思われます。でも、例えばアコースティック楽器ならば、素材・重さ・硬さ・サイズ、などがその音質に影響を及ぼすのはよくわかります。しかし、DAPの場合は直接的に、ボディーにアナログ的に、音をぶつけて音楽を鳴らしているわけではありません。あくまでもボディー素材の上に、DAC・アンプ・回路基板を乗せているだけです。電気信号も回路基板を走るだけです。では、なぜ音質がなぜ変わるのか?不思議です。



■音を比べてみました
HIDIZS(ハイディズ)AP80 Proシリーズの最終評価です。
いずれもエージングを200時間以上行っており、音質は安定しています。
評価項目
(発売順)
AP80 Pro
CP
Rose Gold
Titanium Alloy
筐体素材 アルミニウム
(Aluminium)

(Copper)

(Stainless Steel)
チタン合金
(Titanium)
評価
イヤホン
AKG N5005を使用します
(中高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×4
(低域用)9.2mm径ダイナミック・ドライバー×1
(周波数特性)10Hz ~ 40kHz
(感度)99dB/mW
(インピーダンス)18Ω
(ボリューム)レベル55

AKG N5005は非常に解像度が高く、重低音・低音・中音・高音域が良くバランスされています。原音を大切に、全ての音が美しく繊細に表現されます。音場も広く、音の余韻の伸びが最後まで聴こえるようです。低音用ダイナミックドライバーは比較的大きめの9.2㎜、豊かな低音が出ます。中音域は繊細にシッカリと、高音域はキラキラしています。

↓アルミが比較の基本となります↓


音圧(迫力) スッキリした程よい音圧 深みのある音圧。ワンランクアップ ソリッドな音圧。ワンランクアップ 深みと切れあり。ワンランクアップ
音場(左右) あまり広くなく左右の耳のすぐ横で鳴っている 程よい広がりです。 スーッと広がります。 広がります。端の方までシッカリ聴き取れます。
音場(奥行) あまり深くない、目の前ので鳴っている感じ 少し深くなります 適度な深さです 左右と同じくらい深くなります。
音場(共鳴) スッキリとした共鳴で軽く短く音が伸びる感じ スッと伸びます ファーっと繊細に拡散します シッカリ聴き取れる切れのある共鳴です。
音の質感 クールでシッカリ 濃厚でシットリとした空気感があります。 硬質でソリッド。スピード感があります。 スピード感とシットリ感が同居している感じ、音の粒感を感じる
重低音 楽曲によっては適度に出ている 圧が強く、深い重低音が出ています 切れのある重低音が出ます 圧が強く深く切れのある重低音
低音 よく出ている 濃厚で深みがある 切れのある低音 濃厚で切れがある
中音少し見通しが悪い 濃厚で深みがある 見通しが良い 濃厚で切れがあり見通しが良い
高音 透明感があります 落ち着いた高音 スーッと伸び美しいです 伸びが良く、力強く、美しい
超高音 透明感があります 落ち着いた超高音 キラキラ感が半端ありません 細部にわたるまで聴き取れます
弦楽器綺麗な音ですが、楽曲によっては少し埋もれ気味 力強く澄んだ音がでます 等に高音域の音のシャラシャラ感が良い 繊細な弦の揺れやスキール音まで聴こえます。とても美しいです
打楽器 シッカリと出ていますが、もう少し切れが欲しい ずぶとい 高音域の打楽器の切れ・伸びが美しい 低音から高音域まで、切れも良く伸びも良いです
男性ボーカル 各楽器と同じ位置でよく出ています 深く濃厚です 低い低音より高音が綺麗です。 低音域の深みはCPのほうが良いですが、中高音域はこちらが良いです。
女性ボーカル 各楽器と同じ位置でよく出ています ハイトーンより中音域が綺麗です スーッと伸びてゆき、とても美しいです。 ハイトーンも十分に美しいですが、Rose Goldの方が綺麗かもしれん
アコースティック もう少し迫力が欲しい シッカリと濃厚な音が出ます。ジャズなどは相性が良い 切れがあり、スーッと音が伸びます。 力強く切れもあり繊細な音まで聴こえます。
EDM 非常にバランスがいいです。 シットリした音になるのでもう少し切れが欲しい 輪郭のシッカリした、切れ味のいい音質です。 一番いいバランスです。迫力よし、切れよし、解像度よし!
ハイレゾ音源 解像度は高く、
クールで深みのある音になります。
よりシットリと濃厚に、解像度は高く各音がしっかりと見通せます より高い解像度です。特に高音域より上が凄い。 多分、最もハイレゾ音源の良さを引き出しています。非ハイレゾ音源との違いがよくわかります。
コメント 一台だけ持つとしたらコストパフォーマンスが最も高いです。全体的にクールな音質で、どんな楽曲も、どんなイヤホンも良い音で鳴らします 特に低音域や男性ボーカルの迫力がでます。濃厚で音に深みがでます。ジャズやクラシックなどアコースティックな楽曲に高級感が生まれます。 全体的な迫力や濃厚さはCPの方が上ですが、音の広がり切れ味、余韻の広がり、女性ボーカルの美しさは群を抜きます。 CPとRose Goldの良い所どりをしている感じです。全体的に見通しが良く、解像度の高さを感じます。全ての音が聴きとれます。
総括 AP80ProシリーズとAKG N5005との相性はGoodです。重低音~超高音域まで表現できるN5005の性能をフルに引き出しています。
※あくまでも私のチョイスしたバランスケーブル・イヤーチップでチューニングした場合で、あくまでも私の感想です。人によってはこの組み合わせでの音が気に食わないかもしれません。いつも思うのですが、DAP(DAC・アンプ・筐体素材・音源)/イヤホン/ケーブル/イヤーチップの組み合わせによって音は全く別物になります。本当に奥が深いです。

スッキリとした音質でコストパフォーマンスの高いアルミニュウム筐体のベースマシン。濃厚で低音域に迫力と深みのあるCP。抜群の透明感、音の広がり、女性ボーカルの美しさのRose Gold。高い解像度を余すところなく表現するCPとRose Goldの良い所どりをしたようなTitanium Alloy。
同じようで、同じでない音、気分に応じて音の変化を楽しめるなんて、私はなんと幸せな男でしょう!(笑

あと、AP80Pro4機種を使ていていつも思うのが「熱」です。良い音を出すDAPはDACやアンプの駆動にそれなりのパワーを使うのでバッテリーがかなり発熱します。Fiio M15HiBy R8SSは素晴らしく良い音をだしますが、それはもうホッカホカになります。AP80Proはこの二機種に比べると確かに音質はアッサリ目になりますが、十分に良い音なのです。これだけ良い音なのに全く熱くなりません。バッテリーが空になるまで鳴らし続けても熱くなりません。「ホンノリ暖かい」と言う感じさえありません。ハッキリ言って不思議です。

さて、この4機種の中でどれか一つを買うとしたら・・・
個人的には「安くて良い音を希望するならベースのアルミニュウムモデル」「予算があるなら是非Titanium Alloy」です。
更に予算があるなら「CP/Rose Gold」をセットでお勧めします。CPとRose Goldは、対極の音質とも言えます。ニコイチ・セットで買うと幸せになれます。
更に更に!予算があるなら「CP/Rose Gold/Titanium Alloy」の各 Limited Editionをまとめて買いましょう!この場合アルミニュウムモデルは不要です。

最後に、AP80Proシリーズで5機種目はあるのでしょうか?出来れば出してほしくないです。また、買ってしまうので、これで終わりにしてほしい。でも、もし、出るとしたらどんなボディー素材でしょうか?気になります(笑
Amazon HIDIZSコーナー





【総括】
ベースマシンであるAP80Pro アルミ筐体。他の限定マシンとの違いは筐体素材のみです。以前持っていたiBasso(アイバッソ・オーディオ)DX160 とは比べ物にならないほど音が良いです。入門機としてもミドルクラスとしても通用します。良い音の割に本体も熱くなりません。ただ、時折音楽開始の時に音がプッと途切れる時があります。それは各シリーズ全て同じ症状が出ます。ソフトウェアの問題だと思われるので早期の解決をお願いしたい。
「コンパクトで安くて音が良い」DAPをお探しの方には強力な選択肢だと思います。

しかし、残念ながら今回このAP80ProとAP80Pro Titanium Alloyをほぼ同時に買ってしまった為にAP80Proアルミの評価がかなり辛口になっています。AP80Pro Titanium Alloyの音を知らなければAP80Proアルミはとてもクールでクリアな良い音なんです。