2021年6月6日日曜日

SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21のレビュー評価してみました。ESS 社製DACの音に夢中です。


SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21

今回は、デジタルで保存されている音楽データのデジタル信号をアナログ信号に変換する機器、 DAC(Digital Analog Converter:D/Aコンバーター)による音の違いに着目してブログを書いています。

現在私は「Fiio M15」「HiBy R8SS」「AP80Pro x4(筐体素材違い)」の6機種持っています。「Fiio M15」と「HiBy R8SS」は旭化成エレクトロニクス製(以降AKMと略)のDACを搭載しています。「AP80Pro x4」はESS Technology社製(以降ESSと略)のDACを搭載しています。

当初は「Fiio M15」「HiBy R8SS」だけの所有で非常に満足していたのですが、「そこそこ良い音で、お出かけ用の軽くて小さなDAPが欲しい!」と思い「AP80Pro(銅)」を買ったのが始まりでした。エージングが住むころにはAKMとは違う音質に惚れ、アッという間にAP80Proは(鉄)(チタン)(アルミ)モデルの計4台に増殖していました(笑

AP80Proが搭載しているのは、ESSのES9218P(アンプ内蔵型)です。AP80Pro4台のエージングが終わるころには、すっかりESS製DACの出す音色の虜になっていました。そして、だんだんと「ESSの上位のDACがどんな音がするのだろうか?聴いてみたい!」と思うようになりました。そこで、今回はESS製のDAC搭載デジタルオーディオプレーヤーに特化して商品を探しました。タイミングよく新発売の「SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21」を購入するになりました。やはり、今回もmade in JAPANの選択肢はありませんでした。

と言う事で、オーディオプレーヤーの音質は、オペアンプや色々な要素や条件で変わるのですが、今回はDACを中心に評価しました。

【AKM DACの特徴】「Fiio M15」と「HiBy R8SS」

深く澄んだ音場でクリア、しかも解像度の高いシッカリとした音質です。各パーツの音の伸びや共鳴も美しく、まるで小ホールで演奏をしているようです。楽器やボーカルの位置も良く分かり、音の一粒一粒の繊細な音まで聴こえます。クラシックなどのアコースティックな楽曲が特に美しいと感じました。しかし、イヤホンを多少選ぶようで、相性が悪いとパッとしない音になります。
(Fiio M15 DACチップ:AK4499EQ)
(HiBy R8SS DACチップ:AKM AK4497)

【ESS DACの特徴】「AP80Pro x4」
軽快でスピード感があり、解像度は高く、パワーあふれる音質です。音自体の伸びや奥行きはAKMほど大きくありません。しかし、各パーツの音が身近で確認しやすいです。また、4種類の筐体素材の違いによる音質の変化がとても分かりやすく、それぞれの素材による音の違いを楽しめます。基本の音質もシッカリしており、ここまで色々楽しめるDAPは他にはないと思います。
各楽器やボーカルは比較的目の前にあり、まるでスタジオで演奏を聴くようです。アコースティックよりも電子楽器による楽曲が聴きごたえがある感じです。手持ちのどのイヤホンをつないでも、それなりに良い音が出ます。しかし、奥行きや立体感はあまりなく、楽曲によってはフォーカスも甘く繊細さに少し欠ける音質の場合があります。
(AP80Pro DACチップ:ES9218P)




■SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21
デザインは至ってシンプル。Fiio M15よりも少し小さめで重さも同じくらい。胸ポケットにも入るし、携帯性は良いです。写真は他社製のケースを付けています。保護シートも他社性を貼りました。しばらくして気が付いたのですが。M6 Ver.21の箱には標準で保護シートが入ってました。


箱は大きすぎず、程よい高級感で好感が持てます。


右サイドはON/OFFスイッチを兼ねたボリュームのみ。褪せゴールドが渋い。

押した時のクリック感も良く、回しても心地よい。


左側面にはボタン類とSDのスロットがある

ハイレゾシールがある

上部には何もない

端子はすべて下部に集まっている
3.5㎜・2.5㎜・4.4㎜と全部ある

比較的軽く胸ポケットに入るサイズ感は悪くないです。

★AmazonSHANLING デジタルオーディオプレーヤー M6 ver.21 M6(21)

■ スペック
CPU:Qualcomm”Snapdragon 430
内蔵容量:32GB + Micro SD カード (最大 2TB まで対応)
メモリ:3.2GB
OS:Android 7.1
液晶:4.7 inch 1280*720 HDスクリーン
Wi-Fi対応周波数帯:2.4GHz / 5GHz
Bluetoothバージョン:4.2
対応コーデック:LDAC / SBC (双方向) / LHDC / aptX HD / aptX (送信のみ)
バッテリー容量:4000mAh
最大連続再生時間:11時間(SE) / 8時間(バランス)
本体サイズ:133.5 x 71 x 17.5mm
重量:約 233g

DACチップ:ES9038Q2M x 2
オペアンプ:OPA2211 x 2
コンデンサ:ELNA社製のオーディオ用
出力端子:3.5mmのシングルエンド出力端子に加え、2.5mm,4.4mmのバランス出力端子

対応フォーマット:DSF / DFF / DXD / APE / FLAC / WAV / AIFF / AIF / DTS / MP3 / WMA / AAC / OGG / ALAC / MP2 / M4A / AC3 / M3U / M3U8 / OPUS / ISO(DTS のものは非対応)
対応音声形式:最大 768 kHz/32bitまでのPCM
最大 22.4MHzまでのDSD(ネイティブ再生)
ゲイン設定:3段階 (Low / Mid /High)

( シングルエンド出力特性値)
周波数特性:20Hz - 40kHz
THD+N:0.0005%
有効周波数帯域:20-20,000Hz
クロストーク:76dB @ 32Ω
ダイナミックレンジ:123dB
S/N比:124dB
フロアノイズ:>116dB (1.5uV)
出力インピーダンス:<0.3Ω
出力レベル:12mW @ 32Ω (Low Gain)
48mW @ 32Ω (Medium Gain)
190mW @ 32Ω (High Gain)

( バランス出力特性値)
周波数特性:20Hz - 40kHz
THD+N:0.0006%
クロストーク:111dB @ 32Ω
ダイナミックレンジ:126dB
S/N 比:127dB
フロアノイズ:>114dB (1.9uV)
出力インピーダンス:<0.6Ω
出力レベル:36mW @ 32Ω (Low Gain)
143mW @ 32Ω (Medium Gain)
570mW @ 32Ω (High Gain)

付属品:・USB Type-Cケーブル
・スクリーン保護フィルム(表用・裏用各一枚)
・クイックスタートガイド
・保証書

※SHANLING(シャンリン):1988年に高級ステレオパワーアンプの製造をスタートして以降、30年を越える歴史を持つ中国のオーディオブランド




■最新なのに、ちょっと残念なハードとOS
SHANLING M6 Ver.21(2021)は最新の商品なのですが、コストダウンの為かCPUは少し古くLowPowerのSnapdragon 430、内蔵容量は32GB、メモリも3.5GB、液晶もサイズや解像度の低いものになっています。また、OSであるAndroidのバージョンが7.1なのです。多分諸々のアプリケーション設計が古く、Android7.1以上では動作しないのでしょう。また、その他アプリケーションのダウンロードもGoogle Playを利用できず制約があります。ダウンロードは専用の非常に使いにくいAPKPureなるアプリを利用します。この辺りは残念で、このままいくと時代に取り残されるでしょう。
「Fiio M15」や「HiBy R8SS」は基本すべてAndroidにお任せになっているので、操作性は全てスマホと同じなのです。色々なオーディオや動画アプリでも使えて、全てのアプリで音が良くなるのです。

※実はSHANLING M6には2019年12月頃にVer.1が存在しており、その時のDACチップはAKMのAK4495SEQでした。しかし、2020年10月20日旭化成エレクトロニクスの半導体製造工場が火災、そしてチップの供給が出来なくなりSHANLING M6 Ver.1は廃止となったようです。なので、Ver.21のハードウエアやソフトウェアの設計が古いのは仕方ないと思います。また、AKMの火災が無ければこのESSのDACチップを積んだVer.21は生まれなかったかもしれません。ちょっと複雑な気分です。

後日、何度もAPKPureアプリでアップデートを行っているとGoogle Playが使えるようになりました。使えないアプリもあるみたいですが、アプリのダウンロードや更新作業がかなり楽になりました。また、YouTubeも問題なく良い音で再生できます。画質は普通です。



■ケース
★AmazonSHANLING M6 M6 21(2021)用のソフトTPU保護シェルスキンケースカバー(クリアブラック)

クリアブラックにして正解でした。ギラギラ悪目立ちせずシンプルです。また、ケースはピッチリとはまります。少し出し入れが大変ですが全体をガードしてくれます。純正の革を買わなくて良かった。


■外部メモリ
★AmazonGigastone 512GB マイクロSDカード
 A2 V30 Ultra HD 4K ビデオ録画 Gopro アクションカメラ スポーツカメラ 高速4Kゲーム 動作確認済 100MB/s マイクロ SDXC UHS-I U3 C10 Class 10 micro sd カード SD 変換アダプタ付 Nintendo Switch


■リモコン
★Amazonマルチメディアリモコン メディアボタン
 Bluetooth [音楽の再生/停止] [自撮りシャッター機能付き] ステアリングホルダー付属 1年間保証 ブラック ECR-01BK
問題なし



■ポートのカバー・キャップ
TypeCコネクタや、使用しない3.5㎜のイヤホンジャックにキャップ

monofive USB3.1 Type-Cポート防塵保護カバー・キャップ(10個入り) シリコンタイプ MF-TYPEC-C10B

テクノベインズ 3.5Φイヤホンジャック用キャップ(黒)つまみなし TPE 6個/パック MJ35DCK-B0-6

2セットに適用する FiiO M15S M11S M11 Plus LTD / M15 / M11 Pro / M9 に適用するShanling M8 / M6 / M6 Pro M5S に適用する iRiver に適用する iBasso MP3 DAP ポータブル HiFi プレーヤー ダスト プラグ 4.4MM 3.5MM 2.5MM Type C ジャック(2個入り)




■パソコン側の音源管理と転送
今まで使っていたMediaGOが最近怪しくなってきたので、とうとう管理ソフトを変えました。「Music Bee」と言うソフトです。かなり多機能で使い方に戸惑いましたが、使えるようになると便利です。プレイリストや音楽データの転送などの基本機能は完璧です。
(参考:ダウンロード情報使い方




■DAPのオーディオアプリケーション
ここ最近は、「Fiio M15」「HiBy R8SS」「Pixel4」すべてRocket Playerアプリケーションを統一しています。もともとAndroidオート対応と言う事で、スマホに入れていました。操作性も良く、音も良いので今では全端末(AP80Pro以外)の定番アプリです。
ロケットプレイヤー(無料版)
Rocket Player プレミアムオーディオ(有料版)
※SHANLING購入記念と言う事で今回大奮発して有料版に変えました。
しかし、SHANLINGでは無料版しか使えませんでした。(笑)
後日、GooglePlayが使えるようになり無事有料版もダウンロードし使えるようになりました。

「Fiio M15」「HiBy R8SS」「SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21」の標準アプリは、パソコン側のMusic Beeから音楽データを転送後、プレイリストの取り込みが超面倒臭くイライラします。ロケットプレイヤーは読み込むだけで、スパッとプレイリストが更新されます。また、音声ファイルを再生時に、ボリュームを均一化するリプレイゲインも搭載しており、楽曲毎のボリュームの再調整なしに聴く事が出来ます。また、全体的に厚みのある音質で、個人的には好きです。 




■熱問題
AKMのDACを積む「Fiio M15(AK4499EQ)」と「HiBy R8SS(AK4497)」はそれはもう熱くなります。今までは「良い音は熱い」と思っていたのですが、「AP80Pro(ES9218P)」を使って驚きました。全く熱を持ちません。良い音なのに熱を出さないESSのDACの凄さを感じました。
では「SHANLING M6 Ver.21(ES9038Q2M)」はどうでしょうか?
AP80Proほどではありませんが、やはり、あまり熱を出しません。机の上において10時間ほどぶっ通しで鳴らしても「ほんのり暖かいかも?」ズボンのポケットに数時間入れていても「おっ!暖かいな!」程度です。この熱量の少なさには驚きです。M6 Ver.21はDACもアンプもあまり熱を出さないようです。
「音が良い=熱い」の概念は間違いでした。

(超熱い)Fiio M15>HiBy R8SS>>>>>>M6 Ver.21>>AP80Pro(熱くない)



■評価する
30時間ほど放置エージングを行ったので、ソロソロ実際に音を聴いて評価してみます。同じESS Technology製DACチップを積むAP80Pro(ES9218P)と似たような音だとは思うのですが、どんな音がするのか楽しみです。


 M6 Ver.21本体設定
 ゲイン:Medium デフォルトボリューム:30 最大音量:100
・評価イヤホン:AKG 5005
 ドライバー:(中高域用)BA型×4、(低域用)9.2mm径ダイナミック×1
 周波数特性:10Hz ~ 40kHz
 インピータンス:18Ω
 感度:99dB/mW
・ケーブル:onso iect_04
・イヤーチップ:コンプライTsx-500
・音源はFLACデータ
    サンプルレート        ビットレート
    44.1kHz/16bit        約600~1000kbps    (主にCDリッピング)
    44.1kHz/24bit        約2200kbps   (音源ダウンロード購入)
    48kHz/24bit            約2300kbps   (音源ダウンロード購入)
    96kHz/24bit            約4500kbps   (音源ダウンロード購入)

AKG N5005はモニタリングとしてもリスニングとしても使える原音を大切に、全ての音が美しく繊細に表現されるイヤホンだと感じています。音場は奥行きや高さはそうありませんが、横方向の適度な広さはシッカリと感じます。また、低音域・中音域・高音域用のそれぞれの帯域の専用ドライバーにより非常に高い解像度です。重低音・低音域は比較的マイルドで、中音域は繊細にシッカリと、高音域はキラキラしています。また、音の抜けも良く、透明感のある優しい音を出します。個人的には、ニュートラル音質でハイスペックなプレイヤー評価イヤホンとして最適と考えています。




★エージング時のポリシー

エージングに当たり、ずっと守っていることがあります。
一定の方法で短時間で一気にエージングを終わらせる事です。
①イヤホンはエージングが終わるまで絶対変えない。
 ※変化のタイミングを聴き逃すので同じイヤホンを使う
 ※イヤホンは自分の中で一番ニュートラルなものを使う
②エージングは約200時間をめどに行います。
③基本、休憩を挟んで一気にエージングします。
 ※評価レビューの為に適度な間隔で本気で聴きます。
④夜寝る時鳴らしっぱなしにします。
 ※音量は最低に(通電しデータが流れればOK
 ※バッテリーが無くなって充電する時は休憩
⑤以降④を約200時間までキッチリ繰り返します。
⑥200時間以降は普通に聴きながら自然エージング。

★再生に使う楽曲
YouTubeの「お洒落なミュージック」にあるような曲を主に



■エージング30時間

(ボリューム47)
じっと我慢の30時間が経ちました。では聴いてみます。
大体予想通りの音です。まず基本的に「AP80Pro DACチップ:ES9218P」と音の傾向は似ています。解像度は更に高く繊細な音までシッカリ出ています。音場は広がり過ぎず適度で、奥行きも出ています。各楽器のパートの位置も良く分かります。切れも良くスピード感があります。音圧もシッカリあります。重低音から超高音域まではっきりと出ています。音は一切耳に刺さることはありません。また、特にノイズのなさには驚きました。

まだ、エージング30時間程度なので、全体的な見通しも甘く、フォーカスもまだ甘いです。ドラムスやベースの輪郭もまだはっきりしません。しかし、この段階でも満足できる出来栄えです。だいたい想像はつきますが200時間後が楽しみです。


■エージング100時間
(ボリューム45)
コンデンサーや電源周りが安定してきたのか、音圧もシッカリしてきました。ボリュームを少し下げても聴きごたえがあります。各楽器の音もかなり良くなってきました。特に、ギターの音が良くなって来ました。弦の微妙な揺れやスキール音までもキッチリ聴こえます。ただ、打楽器系はそれほどの主張がありません。
ボーカルは中央で目の前から一歩下がったあたりの位置に。各楽器の位置にも変化が出てきました。耳のすぐ横で鳴る物、耳のすぐ横少し離れたあたりで鳴る物、ボーカルよりも更に後ろで鳴る物、あまり深すぎない、広すぎない音場で立体感が出てきました。全体の音の見通しはかなり良くなってきましたが、低音域と中音域の輪郭がまだ甘いです。


■エージング150時間
(ボリューム43)
ボリュームを絞っても音圧があり素晴らしく良い音です。音場の広がりに変化はありませんが、ささやくような、今までにに聴いたことのないような音や、フェードアウトしている途中で今まで気が付かなかったコーラスが入っていたり、解像度が更に高くなった感じです。一粒一粒の音に濃密で煌めく透明感を感じます。今まで少しぼやけていた音の粒がクッキリ見える感じです。目の前に繊細にそしてドッシリとした音を聴かせてくれます。音の方向性はこれで決まりでしょう。
予想通り同メーカーのDACチップ(ES9218P)積んだAP80Proと音の傾向がそっくりです。しかし、その音質は軽く5倍は良いと感じます。


■エージング200時間
(ボリューム43)
AKG N5005から今まで聴いたことの無いような切れのいい重低音が出だしました。適度に締りがあり、他の音を邪魔しない深い重低音です。ここに見通しの良い中音域とキラキラした高音域が乗り、スーッと短めに伸びます。今まで少し埋もれ気味だった打楽器が、繊細で切れの良い音に変わりました。ピアノ・ギター・ストリングスなどの音も更にクッキリと美しく、今まで聴こえなかったボーカルやコーラスの小さな声も美しく聴こえます。AKG N5005がこんなにパンチがあって更に繊細で美しく聴こえるのは初めてかもしれません。M6 Ver.21はアンプの性能も良く、ESSのDACとの組み合わせに関しても予想以上に良いと思います。

また、以前使っていたHiBy R6 Pro(ESS ES9028Q2M)と比べてみると、同じような音ですが、M6 Ver.21の方がより洗練され、クリアでノイズのない音がします。また、HiBy R6 Proはホワイトノイズや曲と曲の間の音の”飛び”などがありソフト的に少し問題もありました。


■エージング300時間
(ボリューム40)
ボリューム40でも十分満足できるようになりました。もっと心を揺さぶりたければ45くらいまで上げてもOKです。音場は左右に少しと奥行きが少し出ました。各楽器の位置も立体的になりました。重低音~中音域の見通しも更に良くなりました。ボーカルやコーラスも更に美しく、そして凄いのが高音~超高音域です。余韻が美しく空気の間を伸びて行くようです。エージング250時間あたりから急に良くなってきた気がします。この辺はコンデンサーやアンプのエージングがシッカリ出来たからだと思いました。まだまだ音が変わってくる気配もあります。特に山下達郎楽曲が見違えるようにカッコよくなり感動です。迫力もクリア感もあり重低音~高音域までキッチリ出ています。山下達郎は未だハイレゾ音源を出していませんが、CD音源でも十分感動的です。AKG N5005とM6 Ver.21の相性は相当良いです!



【音質】   ★★★★★ 5.0
【音場】   ★★★☆☆ 3.0(普通)
【音圧】   ★★★★★ 5.0
【価格】   ★★★★★ 5.0
【操作性】  ★★★★★ 5.0
【携帯性】  ★★★★★ 4.5
【スペック】 ★★★★★ 4.0

【総合評価】 ★★★★★ 5.0






■いろいろなイヤホンで聴いてみる
手元に残っているイヤホンでM6を聴いてみます。

【イヤホン:AKG N5005】


・イヤホンはAKG N5005を使用します。
ダイナミック型で低音域、BA型4基で中音域~高音域を細分化する。帯域幅はハイレゾに対応するお手本の様な幅です。筐体はセラミック素材で、音場は広く、繊細でどこまでも澄んだ美しいサウンドを聴かせてくれます。ドンシャリタイプではなくカマボコタイプで、モニターとしてもリスニングとしても使えるとてもバランスのいいイヤホンです。
(中高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×4
(中低域用)9.2mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:10Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:18Ω 感度:99dB/mW ボリューム:43) 
・バランスケーブル:onso06
4.4mm/5極/高純度無酸素銅/iect_06_bl4m_120
音圧を上げ低音域を中心に濃厚な音になります。高音域はクールにスーッと伸びる音になります。
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。


【音場】
基本音場の広いN-5005ですがM6との組み合わせでは比較的こじんまりとした音場です。奥行きは半歩下がったくらいに感じます。この濃密な音場はESS Technology製DACの特徴と感じます。

【音圧】
音圧はあります。ただ、音が割れたり耳が痛くなったりすることもありません。小さな音をボリュームを絞っても聴き取ることができます。ボリュームは比較的大雑把に上げてもいきなり”バーン”と音が出ることはありません。

【音質】
今まで、高い解像度で繊細な音をだすN5005をここまでズッシリと力強く鳴らしたDAPは無かったかもしれません。M6 Ver.21のエージングが進めば進むほど音が良くなりました。特に重低音~超高音域が美しく惜しみなく鳴ります。「N-5005ってやっぱりいい音なんだなぁ~」と再認識しました。

【相性評価】 ★★★★★ 5.0

 

【イヤホン:AKG N30】

・イヤホンはAKG N30を使用します。
N30は私の手持ちのイヤホンの中では一番癖がありません。いい意味で普通です。低音域・中音域・高音域を非常にいいバランスで出してくれます。
(高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×1
(中低域用)8mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:20Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:32Ω 感度:86dB/mW ボリューム:43) 
・バランスケーブル:AKG CN120-2.5 イヤホンケーブル 2.5mm
4極/高純度6N-OFC導体/バランス ダークグレー AC-2.5M4-MMCX-1.2M
※実はN30で使える2.5㎜のバランスケーブルはこの純正品しかありません。
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。


【音場】
N5005に比べると音場は狭くなります。全体的な音も少し中央に固まった感じです。ボーカルはシッカリと中心に位置しており、各楽器もほぼ同じ位置です。

【音圧】
しっかりとした音圧を感じます。

【音質】
N30は中音域が得意なイヤホンです。なので厚みのある重低音や煌めく高音域はあまり期待できません。また、N5005やN40に比べると少し音全体の見通しも良くありません。しかし、ボーカルの表現力はとても良いです。N30でM6を聴くには少し役不足ではありますが、生き生きと鳴ります。音の抜けも良く十分に透明感や高い解像度は感じられます。

【相性評価】 ★★★☆☆ 3.5



【イヤホン:AKG N40】

・イヤホンはAKG N40を使用します。
ダイナミック型で低音域、BA型1基で中音域~高音域を受け持ちます。N30は低音・中音が気持ちいいですが、N40は中音域が少ない分、深い低音と煌めく高音域が特徴です。
(高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×1
(中低域用)8mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:10Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:20Ω 感度:109dB/mW ボリューム:50) 
・バランスケーブル:onso04
4.4mm/5極/6N+銀メッキ4Nハイブリッド/iect_04_bl4m_120
音場は程よく広く全体の音の芯が中央に集まり更に奥行きが出ています。
・イヤーチップはコンプライTsx-500
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
N-5005に比べると気持ち音場は広めです。ボーカルは中央に位置しています。しかし、N-5005に比べるとは中音域が弱いです。

【音圧】
やはりN40はボリュームが取りにくいです。N-5005に比べるとボリュームは上げ気味になります。音圧に関してはN30やN5005の方が上です。

【音質】
煌めく高音域と程よい低音域、全体的に透明感がありスッキリとした音になります。重低音出ているのですが中音域が弱い為全体的な迫力に欠けます。音の切れやレスポンスはとても良いです。ただやはりもう少し迫力が欲しいです。でも、しばらく聴き込んでいるとN40は不思議なことに美しくとても良い音なのです。相性という意味ではAP80Pro の方が良いと感じました。

【相性評価】 ★★★☆☆ 3.5



【イヤホン:JVC HA-FW1500】

・イヤホンはJVC HA-FW1500を使用します。
口径11mm ウッドドームドライバーユニットx1で繊細にして迫力のサウンドを聴かせてくれます。周波数帯域は低音域から高音域までダントツの広さ。豊かな重低音と煌めく高音が魅力の心を揺さぶるリスニングイヤホンです。
(全域)11mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:6Hz ~ 52kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:103dB/mW ボリューム:33) 
・バランスケーブル:onso05
5極/PCOCC+銀メッキ4N-OFCハイブリッド/iect_05_bl4m_120
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。


【音場】
音場や奥行きは広くありません。左右耳の側から目の前にドッシリと音が広がります。ボーカルと各楽器の位置はほぼ同じで、ボーカルはシッカリと中心に位置しています。

【音圧】
これは、ボリュームの調整には注意です。インピータンスも低く、感度が良いのでドーンと来ます。音圧は流石FW1500、ドーンと来ます。

【音質】
暖かい音を出すFW1500とM6との相性は良いです。FW1500は比較的中音域の解像度が良くないのですが、M6 Ver.21がFW1500の中音域の解像度をアップグレードしてくれます。野太い重低音~煌めく高音域まで非常につながりが良く、全体の見通しも良くなっています。
手持ちのイヤホンの中では最もウオーム感が強く、悪く言うと”モワット”した感のあるFW1500ですが、M6 Ver.21との組み合わせにかなりスッキリとした音になります。しかし、この包み込まれるような暖かい音、そして重低音とバスドラの迫力はたまりません!

【相性評価】 ★★★★☆ 4.0




【イヤホン:RHA CL2 Planar(平面駆動型)】

・イヤホンはRHA CL2 Planarを使用します。
コンパクトな10mm平面磁気ドライバーが採用されています。低音域の周波数帯域はあまり広くなく、低音よりも高音寄りの帯域です。平面磁気ドライバーですが、もはや構造を想像できない世界です。ハウジングには非常に硬い二酸化ジルコニウムを使用しています。
実は、このRHA CL2 Planarは最近あまり出番がありませんでした。それでも、かれこれ500時間以上は利用しています。今回M6の評価にあたり長時間利用していますが、どうも、音が少しづつ変わっている気がします。
(全域)10mm径平面磁気ドライバー×1
(再生周波数帯域:16Hz ~ 45kHz) 
(インピータンス:15Ω 感度:89dB/mW ボリューム:43) 
・バランスケーブル:onso05
5極/PCOCC+銀メッキ4N-OFCハイブリッド/iect_05_bl4m_120
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。

【音場】
音場に上下の高さはあまりないのですが、左右は少し広めで、奥行きも程よくあります。演奏は左右に適度に広がりボーカルは中心にあります。全ての音が同じ土俵で一気になっている感じです。しかし、ボーカルもコーラスも各楽器の音は細部にわたるまでキッチリと聞き分けられます。不思議な感覚ですが、慣れると癖になります。

【音圧】
最初はそうでもなかったのですが、M6のエージングが進むにつれシッカリと出てきました。ドカンと来るのに繊細で上品な感じです。

【音質】
ズシッとくる重低音~超高音域までキッチリと出ています。平面駆動らしく全ての音域が同じ土俵上から”ドン”と立ち上がります。他のイヤホンでは中々味わえない感覚です。クリアで繊維で少し硬質な音です。特に超高音域のキラキラ感が美しく、女性ボーカルもため息が出るほど綺麗です。M6のエージングもそうですが、このCL2自身もまだエージングしてると思われ、この数日間で音質が素晴らしく良くなってきました。ハイブリッド型やダイナミック型に比べても癖が無くなってきています。ケーブルのチューニングもありますが、M6との組み合わせはとても魅力的です。いつまでも聴いていたくなる音です。

【相性評価】 ★★★★★ 5.0



【イヤホン:RHA T20 Wireless】

・イヤホンはRHA T20 Wirelessを使用します。
DualCoil(デュアルコイル)と言う特殊な技術を使っています。ドライバーの材質やサイズは不明です。しかし、一つのドライバーで「高解像度」「硬質・ソリッド感」「スピード感」「クリア感」「重低音」「超高音」を実現しています。ハウジングはステンレススティールで高音域が兎に角美しい。
(全域)1DualCoilダイナミック×1
(再生周波数帯域:16Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:90dB/mW ボリューム:33) 
・バランスケーブル:onso06
4.4mm/5極/高純度無酸素銅/iect_06_bl4m_120
音圧を上げ低音域を中心に濃厚な音になります。高音域はクールにスーッと伸びる音になります。
・イヤーチップはコンプライTx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。

【音場】
音場と奥行きは程よくあります。演奏とボーカルの位置も適度で、とても良い感じです。左右の広さと奥行きはCL2 Planarに軍配が上がります。

【音圧】
これは凄い!ボリュームはかなり絞ってからユックリ上げて行きましょう。音圧も凄いです。耳に刺さったりしませんが全域で素晴らしい音圧です。音のキレも素晴らしいです。おなじRHAの平面駆動ドライバのCL2 Planarと比べるとインピータンスも感度もそんなに違わないのですが、CL2 Planarは少し多めのボリューム40程度が良い感じです。T20は30~33くらいでも十分圧があります。全体的に非常にパンチがあるのでボリュームを上げ、長時間利用すると少し疲れるかもしれません。

【音質】
スピード感に溢れ、クリアで澄んだ高音、キレキレのドラムス、全域に渡り濃厚でレスポンスが良く、特に超高音域は素晴らしく美しいです。また、中低音辺りにパンチがあります。高い解像度と表現力を持つハイブリッド型のN5005に力強さを加えた感じです。更にT20のスチール製のハウジングが煌めく共鳴を微かにプラスします。コストパフォーマンスも高く本当に良いイヤホンです。M6との相性も最高です。

【相性評価】 ★★★★☆ 4.8



【イヤホン:FiiO FH7】

・イヤホンはFiiO FH7を使用します。
チタンに比べて、音伝導性や硬さが約2.5倍、比重も軽いという特性のベリリウムコーティング・ダイナミックドライバーをx1,しかも13.6㎜と言う巨大なサイズ、そして更にBA型ドライバーを4基搭載しています。それはもう美しい爆音です。
(中高域用)バランスド・アーマチュア・ドライバー×4
(低域用)13.6mm径ダイナミック・ドライバー×1
(再生周波数帯域:5Hz ~ 40kHz) 
(インピータンス:16Ω 感度:99dB/mW ボリューム:33) 
・バランスケーブル:onso 03
6N+4Nハイブリッド
実はonsoの中では入門ケーブルです。FH7は暴力的な音が出るので、onso 03であえてディチューンしオーバースペックにならないようにしてみました。
・イヤーチップはコンプライTsx-400
遮音性の高さと、豊かな低音を出してくれます。
 
【音場】
左右の音場、奥行きは少しあります。ボーカルは中央でシッカリと聴きとれます。ハイブリッド型らしく各楽器パートも左右で鳴ったり、少し奥で鳴ったりと立体感があります。この辺りはN5005と似ています。

【音圧】
これはディチューンにも関わらず凄いです。うかつボリュームを上げると大変なことに!ボリュームは最小の位置から調整すべし!(笑

【音質】
ケーブルのディチューンにも関わらず、唸る重低音、煌めく超高音域、クリアなボーカル、M6の魅力を余すと来なく表現します。M6との組み合わせは、とても魅力的です。Fiio FH7はやはり万能です。

【相性評価】 ★★★★★ 5.0




ヘッドホン:AKG K371-Y3

・ヘッドホンはAKGのK371-Y3を使用します。
密閉型のスタジオヘッドホンです。モニタ用ヘッドホンの位置づけです。過度な味付けをせず演奏本来の音質を表現します。
(ドライバー:大口径50mm)
(再生周波数帯域:5Hz〜40kHz) 
(インピータンス:32Ω 感度:99dB SPL/mW ボリューム:47) 
6.35 mmケーブル
3.5mm変換ケーブル
 
【音場】
流石ヘッドホンです。包み込まれるような適度な音場です。

【音圧】
スタジオヘッドホンとしては適度な音圧です。上品です。

【音質】
解像度は高く重低音から超高音域までサラリと鳴ります。乾いていて抜けよく上品な音質です。全体的にフラットでドンシャリ傾向は一切ありません。全ての音が繊細で見通せます。低音にも不満はありません、特に高音域は綺麗です。M6 Ver.21はヘッドホンも普通に鳴らしてしまいます。聴き疲れが無いので何時までも聴いていたくなります。ESS製のDACとの相性は◎です。

【相性評価】 ★★★★☆ 4.0




ヘッドホン:FOSTEX TH610

・ヘッドホンはFOSTEX(フォステクス)のTH610を使用します。
密閉型のプレミアム・リファレンス・ヘッドホンです。多分こちらもモニタ用ヘッドホンに近い位置づけです。明るく軽快で抜けの良いAKGのK371-Y3比べるとしっとりとして少し濃い味付けです。低音と高音域の主張があります。
(ドライバー:大口径50mm)
(再生周波数帯域:5Hz〜45kHz) 
(インピータンス:25Ω 感度:98dB SPL/mW ボリューム:47) 
 
【音場】
流石ヘッドホンです。包み込まれるような適度な音場です。

【音圧】
重低音が良いところまで来ているので、もう少し圧が欲しいと思わせます。

【音質】
解像度は高く重低音から超高音域まで深めに鳴ります。音質はウォーム感がありシットリトとした音質です。激しくはないですが気持ちドンシャリ傾向です。上記のAKGのK371-Y3とは聴こえてくる音は似ていますが、よりリスニングヘッドホン寄りに思われます。相性は悪くありませんが、旭化成エレクトロニクス性のDACとの方が良い気がします。

【相性評価】 ★★★☆☆ 3.5












【総括】

ESSのDACチップ(SHANLING M6 Ver.21:ES9038Q2M)+オペアンプは、濃厚で繊細で乾いた切れの良い美しい音を出します。音圧もあって、解像度も高くて、とても見通しの良い音質は素晴らしいです。
わたしの手持ちの全てのイヤホンはM6によって本領を発揮していると思いました。イヤホンにもよりますが、特に重重低音と超高音域の表現が素晴らしいです。そして、各楽器の細やかな演奏やクッキリとしたボーカルにはいつまでも耳を傾けていたくなります。音の粒が見えるようで「繊細なのに濃厚」そんな美しい音質に大満足です!

ESSの
DACチップ(AP80Pro:ES9218P[アンプ内蔵型])はESSの入門マシンとして、エントリーマシンにもなりえる素晴らしい音質を持ちます。SHANLING M6 Ver.21はその音質を更に「繊細に、解像度を高く、見通しを良く、音場と奥行きを広げ、重低音~超高音域をアップグレード」したと思って頂ければいいです。また、SHANLING M6 Ver.21を聞いた後すぐにAP80Proも聴いて見ても音質が酷く劣化したとは感じません。少し音が近い分、音圧なんかはAP80Proの方が上に感じます。AP80ProはESSのDACチップを知るのには丁度いいマシンかもしれません。ただ、最近は持ち出す時も邪魔にならないM6 Ver.21ばかりで、AP80Pro の出番が全くありません。

AKMのDACチップ(Fiio M15:AK4499EQ HiBy R8SS:AK4497)+オペアンプは、深く澄んでクリアに、そして高音域はどこまでも伸びて行き、一音一音が透明感のある感動的に美しい音をだします。音楽を聴くというより感じると言った方が良いかもしれません。
ESSのDACは勿論どんな音楽も行けますが、クラシックやジャズなどのアコースティックサウンド系に関してはAKMのDACの方がより美しく感じました

最近は、同じ曲をESS系とAKM系を交互に聴いたりして堪能しています。
SHANLING(シャンリン) M6 Ver.21は非常にお買い得なデジタルオーディオプレーヤーと感じます。


※内容はあくまでも個人的な考えですのでご了承ください。
 参考程度にお読みいただければ幸いです。